広帯域オシロ導入の件

個人で購入する計測器機器にはおおその限度があると思います。持っているといろいろ使えるにしても1000万円のオシロやスペアナを買うことはまれでしょう。オーディオ用に個人でHP5071Aの新品を購入したケースはあるようですがそれでも300万前後で買えた時代の話で最近は購入例など聞いたことがありません。

今回のお品(Agilent DSO 80000B)は発売当時の定価は6GHz帯域の場合オプションなしで900万近いですが既に販売中止でサポートは継続中だが近々に打ち切られる可能性大というものです。さすがに何世代も前の機械を買うのは安くても気が引けますが近日中に修理不能になるということでは80000Bも同じになる運命でしょう。サポート終了の際にはTDS3000シリーズの例に見るように企業やレンタル会社がこぞって放出してくる現象がみられるかもしれません。

さて本品の現行での相当機種は90000Aシリーズになりますが90000Aの場合は6GHzと8GHzでサンプリング周波数が20Gsと40Gsに区分されており6GHz以下の機種の場合は仮に帯域はあったとしてもサンプリング周波数でリミットが来るように設定されているようです。80000Bの場合には2GHz-13GHzの全機種が40Gsなので現行機種に比べるとその点は有利です。8GHz以上の機種などは元々1000万を超えるため滅多にお目にかかれないでしょうし6GHzとて程度の良いものを安価で見つけるのは困難でしょう。2GHzとか4GHzなら時々みかけますが4GHzとか6GHzに帯域拡張したら100万円では済まないです。
90000Aは80000B同様にWINDOWS XP搭載でプローブも80000Bと同じものが推奨されておりスペックを見ても80000Bと大差ないようです。さすがに容積は90000Aの方がずっと小さくなっていますがPCの進歩によるものが大きいでしょう。ということで程度の良いものが手にはいるなら80000Bも悪い選択ではないということになりましょうか。CPUの処理速度に関しては90000Aの方がずっと良いのでそれは仕方ないですが90000Aの6GHzより80000Bの6GHzの方が実質の性能が上というのは意外でした。サンプリング周波数20Gsと40Gsの違いは小さくはないでしょう。ジッタ解析などを行った場合にで大きく差が出る可能性があります。


以下、導入時にはおきまりのバックアップ処理です。ここでも古いAcronisが活躍しています。現行ソフトの場合はサポートしているチップセットが最近のものになるので逆にまともに動作しない可能性もあると思います。ハードの世代に合ったソフトが安心です。

当方で所有しているスペアナもWINDOWS XPべースで購入時にはシステムのバックアップを取ることになりましたがオシロの場合もそれに漏れずということです。システムを飛ばしたら修理するのにいくら取られるかわからないしHDDはいつか壊れるに決まっています。WINDOWSベースの機械を買ったらまずバックアップでしょうね。


ちなみに校正済品ということなので校正結果をチェックしてみましたが帯域チェックでは6GHzでは-3dbにはなっていないようでオプションの帯域拡張がなされているかあるいは余裕をもたせてあるかの?よくわかりませんが規格値以上の実力となっているのは明かなようです。6GHzから8GHzの帯域拡張は140万とか?だったと思いますのでラッキーと言わざるを得ないです。サンプリングは40Gsで上位機種と同じですから帯域拡張はそのまま性能アップにつながります。

帯域が6GHzの場合には100pSのライズタイムを3%の精度で測定可能ですが帯域がもっとあれば100pSを切る場合でも対応できそうです。今後はジッタ解析のソフトウエアなども導入を検討したいと思います。オプションはメモリ拡張だけだったのでライセンスを買わないといけないかもしれません(ライセンス25万円です。すでにアジレントさんから試用ライセンスを頂きました。)。


100pSなんてライズタイムなんて滅多にお目にかかれません。現状50Ωで負荷しているので高速ロジックの出力でもこの程度かと。7GHz帯域の差動プローブが入荷すれば100pSもありかもしれません(差動プローブだって中古で20万くらいしちゃいますけど)。



WINDOWS XP のサポートが終了する直前に導入でしたがシステムのアップデートは問題なく終了できました。測定機器ゆえネットにつながなきゃ別に問題ないし感染したらバックアップをリストアしてやればいいだけのことです。XPで十分だと思います。

ジッタ解析に関してはAgilent経由でデモ用のコードを発行してもらって使うことができました。最近ではオフライン解析ソフトというのも存在しているようですがレポートの作成やデーターの共有という面では良いとしても、ジッタ解析など最大のサンプリングレートで取得した大量のデーターを統計処理する場合にはデーターを吐き出してあとから解析などいちいちやってられないです。

とまあいろいろ頑張って導入してみましたがこのオシロとて2005年とか2006年発売の製品であって最新の技術レベルという訳ではないです。ただバードの性能的には90000Aシリーズは現行品のの割にはしょぼいといえばしょぼいので(X/Qシリーズは確かに凄いですけれど)激安特価の80000Bは十分に美味しいかもというお話ですかね。90000Aは単にPCの性能をアップしただけだろみたいな...しかも6GHz以下は20GSに落としてるし...そんなんじゃ買いたくないわみたいな(笑)6GHzだったら900万以上しちゃいますからね。ジッタ解析と差動プローブ1本つけたら1000万円也!!

iPhone5sとノイズキャンセリングヘッドフォンQC20i

iPhone5sで早くもMNP一括0円が登場していますが...9月発売で4か月5か月で一括0円は予想外といったところでしょうか。iPhone自体Androidoに比べればハードの設計が古くGALAXYなどに比べるとWiFiのSpeedもイマイチなので6に期待といったところでしょうか。キャリアで使った場合はたとえばドコモの場合は特定の地域を除けばまったく転送レートが出ていないようなのでハードの性能を生かせるわけではないですし、ソフバンとかAUはそこそこでしょうけれどAULTEを優先しているため通話が途切れるといった問題も指摘されているようです。

写真には登場していませんが最近ソフバンの5Sを買い増してそこそこ便利に使っています。購入は大手量販店ですが購入する際には家電5000円引特典をつけると云われたので何げに置いてあったBOSEノイズキャンセリングヘッドフォンQC20iを買うことにしました。時間がなかったのでろくに試聴もしていませんがまあ悪くはなさそうでした。

持ち帰って数日は放置でしたがiPhoneに44.1K/16bitリニア非圧縮(馬鹿みたいに容量を喰いますが)のソースをいくつか入れて試聴したところこれが結構いけることがわかりました。ネットワークプレイヤーのテストではネットワークからもってくるのはダメだけれど内蔵メモリから持ってくるならOKという結果でしたし、リチウム電池の音はACに比べれば良いということもそうなんでしょうし、携帯電話+ヘッドフォンにしては上出来という結果に結びついているようです。

素人オーディオはヘッドフォンで音楽を聴く習慣はないので自宅にはSTAXコンデンサヘッドフォンなどがあってもほとんど使いませんし、ましてや携帯電話にヘッドフォンをつけて使ったことなどありませんでしたが、音質的にそこそこと云えるレベルですし(オーディオマニアに受け入れられるレベルと云っても過言ではないです)ノイズキャンセリングを利かせると騒音があっても高音域のディテールが聞き取れるようになるのがイケているようです。ノイズキャンセリングの効果が純度の高いクロックを使ったときの効果に似ていると云えば似ているように感じます。もちろん全体の質感が良くなるというわけではありませんが見通しが良くなり分解能が向上するように聞こえます(ノイズキャンセリングは高音域には利かせていないようです)。騒音の逆相打ち消しがうまくいっているようで、騒音の中で音楽だけ聴いているように感じさせるのは面白いです。騒音あってのノイズキャンセリングでしょうしあるいは効果が良くわかるように作ってあるといえばそうなんでしょうけれど。ただ、ノイズキャンセリングの効果はめちゃくちゃ強いというわけではないです。数値はわからないですが-40dbはないはずです。

いろいろなソースを試しましたがライブ録音などは鮮度が高く得意なようです、また、アナログ録音の古いソースの方で輪郭がくっきりしているものが多いように思います。音源やミキシング手法の違いもあるんでしょうけれど。

QC20i(iはiPhone用)は携帯や音楽プレイヤー用としてはオーディオマニアにもお勧めできそうなレベルの商品で、ヘッドフォンを使う習慣のない素人オーディオに音質という点でも逆相打ち消しがディテールの再現に貢献するという点でも意外でした。もちろんヘッドフォンよりは大型のSPで聴く方が楽しめるとは思いますし自宅ではヘッドフォンで聴くことはないですけれど。

HP-5071A

HP5071Aは日本の国立天文台などが複数台を同時に使用している(ドリフトが一定方向に偏らないようにするため)国家標準レベルの原子時計ですよね。素人オーディオも実は1台保有しています。画像などを載せて自慢する程ではないですが(笑)

5071Aに関して✕文の担当の方とお話したことがありますが、5071Aに使っているセシウムバルブは製造コストが掛かる割に(5071Aの稼働数の減少のため)需要が極端に小さくなりつつありスペアバルブの価格が高騰しているようです。数年前ですでにバルブのみで500万円はくだらないということでしたしバルブ自体値段が高いのでスタンダードバルブでもハイパフォーマンスバルブでもお値段は大差ないようです。一昔前であれば5071Aは300万程度で買えたはずではありますが現在はバルブだけで500万を超えるお値段だそうです。値段が高いがために互換バルブというものが出現したそうですが素性についてはよくわからないということでした。オリジナルより若干落ちるというものなんだとは思いますが。

バルブが非常に高価ということになると個人では交換するのはまず無理ということになりバルブの寿命は大きな問題になります。スタンダードバルブは10年以上は使えるそうですがハイパフォーマンスバルブの交換サイクルは3年だそうで3年即寿命ということではないですが寿命を迎え故障する確率が高くなるので交換するということになるんでしょう。ちなみに素人オーディオの所有している5071Aにビルトインされているのは純正のスタンダードバルブです。周波数校正用にはスタンダードで十分ですしハイパフォーマンスバルブで改善されるのは長期安定性で短期安定性には大差はないようです。そもそもセシウム自体のの短期安定性はさほど良くはないので素人オーディオ的にはすぐに壊れてしまうハイパフォーマンスバルブは敬遠したいことろではあります。

最近どこぞで古そうな5071Aにハイパフォーマンスバルブがビルトインされたものをみかけましたが動作品であるとしてもバルブの交換代金があまりに高くつくために放出されたものかもしれないですね。バルブの交換補修代金と新品の購入代金とがあまり変わらなくなってきているので本体が古くなれば放出される可能性も高くなるでしょうし。用途からして連続通電し劣化してきたところで予備機に交換するというものでしょうから十分に使えそうなハイパフォーマンスバルブが搭載された5071Aが放出されることはまれであると推測するのが妥当なところでしょうか。

ちなみに素人オーディオはどうしたかと云えば最初に譲渡金額を確認した上で2週間とか3週間貸し出していただき問題なければ譲渡していただくという手順でお願いしております。先方は本体を潰す場合はセシウムバルブの廃棄にもコストかかかるので引き取っていただいた方が嬉しいということでした。セシウムバルブの廃棄は専門業者に依頼する必要もあり事務処理的にも結構面倒なんでしょう。

ちなみに素人オーディオはJFE(京浜工業地帯)のプラントの一角にある産業廃棄物の処理場に行ったことがありますが(プラントの中にも道路や信号があろめっちゃ広い)そんな感じのところにダンプからザーっと落として潰して焼却廃棄って感じでしょうかね。運搬時には割れないようにする必要もありそうですけれど。

以上、セシウムルビジウムと違って厄介なシロモノかもしれません。使ったことがない人はどーしても欲しいと思うかもしれませんけれど個人で中古(新品は1000万円近いです)を買う場合はいろいろ考えてからってことでしょうかね。もちろん値段も安くはないでしょうし。

大容量リチウム電池の音

EV雑感で書かせていただきましたが、EVの電池は20KW/h前後の容量があり家庭用の電力源として使用できなくもありません。もちろんエアコンなどを使いまくったらみるみる減ってゆくでしょうけれど災害時に1日2日程度細々と使うくらいの量は確保されていますし、オーディオに使うくらいであればそれもまたまったく問題ないレベルでしょう。

といういことで電力会社から完全に独立したAC電源は果たして音が良いのかどうかやってみました。

素人オーディオのシステムでは柱上直結の200Vを使っており電灯線は引いてあるけれども使うことはありません。ですがリチウム電池から起こした電力は電灯線の方に来ることになりますのでそちらに差し替えて試聴することになります。給電装置は30Ax2ですがそのうち1系統はオーディオシステム用の配電盤に直結です。

テストは200Vでしばらく聞いてからリチウム電池から起こした電灯線に切り替えて比較することに致します。もちろん最後に電力会社の電灯線に切り替えてリチウム電池と差があるのかも確認いたします。

まずは200Vですが普通と言えば普通ですがノイズが少ないので一音一音がはっきり聞こえる感じがします。
しばらく聞いてからリチウム電池から起こした電灯線に切り替えましたが、エッジが鋭く一音一音がさらにはっきり聞こえるようになり、印象としては(若干雑ではありますが)アルカリ電池の音よりもさらに明るく元気な感じです。最も効果が大きかったのはDACでバックグラウンドが静かになり全体的にくっきりはっきりした感じになりました。もちろんCDPやネットワークオーディオプレイヤーでも効果はありますが最も効果があったのはDACです。

DACを実際に電池駆動したことはありませんがリチウム電池から起こした電灯線をDACに使った場合の効果はプリアンプをアルカリ電池で駆した場合の効果と同等以上であると思えます。200Vの音が丸く柔らかく聞こえるくらいですから明かな効果があると云わざるを得ないです。もちろん200Vは電灯線ではありませんよ。

で、ネットワークプレーヤーにリチウム電池から起こした電灯線を使い、CDPに200Vを使ったらネットワークプレーヤーの方が良くなるかと思って比較してみましたがやはり逆転はありませんでした。CDPの方が優位なのは変わりませんでした。ただ、NA7004のデジタルアウトは4万円しないプレイヤーとしてはなかなかのものだと言えるのかもしれません。電源を良くしても高級なCDPにはかなわないけれどコストパフォーマンスとしては良いでしょう。

で最後に電力会社の電灯線に切り替えて試聴しましたが、最悪だったのは当然と言えば当然です。暗く重くどうもサエない音です。

リチウム電池から起こした電灯線 >>> 電力会社の200V >> 電力会社の電灯線

という結論ですが予想通りだったのであまりおもしろくはないですよね。ただ、リチウム電池から起こした電灯線がすべての機器で200Vより格段に良い結果になるかと云えるかどうかは微妙です。DACリチウム電池から起こした電灯線の方が明らかに良いのでこれをどう考えるかですが機器の素性が良ければ電源の改善効果が大きくなる?とでも解釈しておきましょうか。

なお、今回は適当に試聴しただけなので、以後、時間をかけてじっくり聴いてみることにいたしますが、リチウム電池から起こした電灯線をオーディオ用に使った場合、電力会社の200Vを明かに上回る程に良質な電源になる可能性は高いでしょう。
追記
その後、何回かリチウム電池の音を聞いてみましたが、これまでにない質感の高い電源であることはおおよそ間違いないと思います。まさにオーレンダー式という感じでしょうか。
電気自動車のオーディオマニアらしい使い方と云えるでしょうし、オーディオマニアにとっては電気自動車の付加価値を高める要因に十分なり得ると思います。電池とインバーターの製造元はニチコンです(笑)

EVについて雑感ですが

EVが最も普及しているのはおそらく日本なんでしょうけれど、それはおそらく1回の充電での走行距離との関係が深く、狭い日本に向いているということがあるのかもしれません。1回の充電で100キロくらい走ることができれば大都市圏ではそこそこ実用にはなるでしょう。それでもせいぜい累計3万台を超えるくらいなので現状は普及などほど遠いというレベルです。
最近はやっと充電設備も増え始めてきていて、東京・神奈川ではさほど充電には困らない程度にはなってきましたが、たとえば千葉などは関東とは云えども充電設備がほとんどないのでEVを買っても実用にならならず、あるいは東北道などはまったく充電設備がないので高速道路から降りて充電しなければなりません。まあこのような状況なのでEVを買っているのは東京・神奈川に在住の方がほとんどであると云えるのかもしれません。

車両価格は24KW/hの電池を装備した日産のリーフは最高グレードで400万円程度で補助金が78万円出るなら300万円ちょっとです。大衆車の域を出ない金額なので遠出をしないという想定なら悪くはないでしょう。なぜなら、電気代はめちゃくちゃに安く1回の充電が200円くらいで120-150キロ走ることができるので(ちなみに現時点では高速道路を除いては急速充電でも無料のところは多いです)ガソリン車に比べればタダ同然です。さらにHV/PHVと違ってエンジンがないので車検および整備費用がほとんどかからないです。ブレーキパッドを交換する以外は何もすることがないに近いのですが減速は回生発電で行っているのでパッドもあんまり減らないでしょう。つまりはEVはディーラーが儲からない車ということになってしまいます。車検整備で稼ぐことができないからです。日産や三菱はEVに関してはさぞつらいことでしょう。そういうことなので自動車メーカーは爆発的に売れない限りはEVはやりたくないに決まっています。先陣を切った日産三菱連合にはEVのリーダーになるという気概を感じずにはいれられないです。

前述の通り大都市圏では充電設備もそこそこのレベルになってきたので、BMWが来春からの参入を表明しているようです。これまで国産の電気自動車のために整備してきた基盤にタダ乗りするということ、あるいはBMWは欧州では交流充電方式を採用しておきながら日本向けのEVにはChademo(直流充電方式)を採用するということもあり、日本の電気自動車連合(日産三菱)はおだやかではないかもしれません。三菱などは90万円もの大幅値下げで対抗するようです。日産はいまのところ静観というところでしょうか。

一方BMWの電気自動車の性能が良いかと言えば、実際はそうではないようです。車両価格が500万円であるにもかかわらず電池の容量は18KW/hですからリーフの75%しかありません。モーター誌には22KWと書かれていたのを見かけましたがBMWの公式発表は18.8KW/hです。総電力量18.8KW/hと書いているのは恐らく車載システム用のバッテリーを含んでいるためで駆動用電池の容量は18KW/hのはずです。電池を大判振る舞いしているリーフとは対照的で日本とドイツのリチウム電池の生産技術の差が出ている部分かもしれません。モーターの出力に関してはBMWは125KWでリーフは80KWということで明かにリーフが劣りますが軸トルクはどちらも250Nmでまったく同じです(実際には若干リーフの方が軸トルクは大きいし初代リーフは希土類をふんだんに使ったモーターで300Nm近いトルクがあった)。なので加速の差は車重の差ということになり車体を軽くすれば加速が良くなるのは当然ということになります。しかしながら一気に加速すればそれだけ消費電力は大きくなり、また、馬力があるからといってピードを出せば消費電力は空気抵抗の増大とともに加速度的に大きくなり、みるみる電池を消耗することになるでしょう。なのでBMWは最高速度を150km/hに制限しているらしいです。詰まるところ、実用性とは相反するけれど車体が小さく軽く加速がいいですみたいな車にするしかなかったとも言えるでしょうか。リーフは4人がそこそこゆったり乗れるしラゲッジもそれなりに広いのですがBMWはリーフに比べて45センチも全長が短いのでそうはいかないでしょう。タイヤにしてもリーフは215/50でスポーツセダン並ですがBMWは155/70で小型のHVに近い感じです。車重はBMWは1260キロでリーフは1460キロですからBMWの車重はリーフの86%になりますが電池は75%なので同じだけ走れるはずがないということにはなるでしょう。

ということで、EVの量産車に関してはいまのところは日産三菱連合が有利ということにはなるでしょうか。もちろん2台目の遊び車ということではBMWの方がおもしろそうですが、何に使えるかと言えばどうなんだろうということなりかねないかと。

ちなみにEVの先にはFCVがあるようですがFCVは電気分解で製造した水素を使うことになりエネルギー源は電力であることに変わりはありません。電力を電池にダイレクトに蓄えて放電するか水素に変換して燃料電池で電力に戻すかだけの差だということになります。FCVは効率が悪いので元の電力の無駄使いする代わりに充電時間や航続距離の問題を解決するお金のかかった贅沢車という位置づけになるでしょう。庶民はとりあえず安いEVに乗れということでしょうね(笑)。FCVが出る頃にはEVでも1回の充電で実質300キロくらい走れる車種も登場していることでしょうし価格や電力の利用率の点では明らかにEVが有利なので展開が楽しみです。FCVの問題点はやはりインフラ整備ということになるかもしれません。水素ステーションがビジネスとして成功するのは一体何年後なんでしょうか?

追記
最近FCVが走行している映像をTVで見ましたが、まるで水を撒いて走っているような勢いで配水管から水を流していたのには驚きました。もし将来多数のFCVが道を走るようになったら、雨でもないのに路面が水浸しで風向きによっては前を走っている車か放出された水がフロントグラスやボディにかかることもあるでしょうね。なので水は放出しないでタンクに貯めておくとかの配慮も必要で除湿器みたいに水捨て作業が必要になるのかも。あるいは酸素をそんなに多く消費して良いのかどうかって懸念もありそうです。目で追える範囲の走行で1molとか2mol(36mL)くらいの水はばらまいてましたがら大量に酸素(2molでは約45リットル)を消費しているでしょうね。内燃機関よりよっぽど酸素を消費しそうですがどうなんでしょう。

これについては電気分解するときにできる酸素を大気に戻していればまあいいのかなということになるでしょうか?酸素を発生しない方法で作られた水素が大量に出回るとどうなのかということにはなるでしょうけれど?大気中のバランスが崩れなければいいわけで。

ネットワークオーディオを試してみました編

ブログの記事を書くのはかなり久々で半年くらい放置しておりました。
いろいろネタもたまって来てはおりますが貧乏暇なしでなかなか書く機会がないのでございます。

最近は決算期だ消費税増税だということで消費財の導入などに奔走しており、いろいろなことをいっぺんにやったものですから処理仕切れず大変でした(笑)

そのひとつがインターネット回線ですが、ダークファイバーを引いてもらって固定IPのギガビット回線に切り換えを実施しました。基本OEが不要なEthernet接続でありながらルーターが必要などよくわからない設定になっておりましたが、Ethernetなんだからルーターを使ってユーザーにIPを指定させるのではなくISP側で勝手に割り当てて欲しいものです。ギガを通すために高いルーターを入れなければならないのは理不尽ですよねえ。全部が固定IPの契約じゃないしIPの数も様々なのでそうなってるんでしょうけれど。

オーディオのトピックとしてはAC100Vを大容量のリチウム電池から作れるようになったことでしょうか。供給は30Aがリミットですが電灯線から完全に独立した電源です。基本災害時に使うことが前提ですが音が良ければオーディオ用に使うこともできるでしょう。もちろん暇がないのでまだ試してはいません。

そのほかにはWINDOWSサーバーと独立した安価なNASを何台か入れました。サーバーに何台もDISKを内蔵すると筐体の規模が大きくなるし24時間連続で動作させなけれなならないので電気代が馬鹿になりません。NASなら用がないときには止めておけばいいわけです。安価ゆえNASは高級なハードを使ったWINDOWSサーバーに比べると速度が遅いので、サーバーのバックアップファイルの保管や半ば整理するのが面倒なファイルをそのままコピーして溜めておくみたいな使い方になりそうです。パフォーマンスよりは各種プロトコルに簡単に対応できるとか値段が安くつくとかそういう面を求めています。

で、NASがあればネットワークオーディオを試してみたくなるわけですが、今回はそれをメインテーマにしたいと思います。
ちなみに新幹線で移動中に書いております。


ネットワークオーディオを試してみました編

最近はCDPを捨ててネットワークオーディオを中心にシステムを組み直す方が増えているようで、ネットのオークションなどでは、名機と云われているCDPが数多く出品されているように思います。取り残されないためにも素人オーディオとしてもこのへんでネットワークオーディオは試しておくべきだと考えておりました。
まずは安価でそこそこ使えそうなネットワークプレイヤーを入手しNASを使ってデジタル出力の品質をチェックするということになろうかというところですが、改造すること等を考えるとやっぱりマランツのNA7004でしょうね。失敗しても惜しくないですしね。

当然ですがNA7004のアナログ出力を評価しようなどどは思っておりません。デジタル出力をDACについないでCDPと聞き比べるというのが正当な評価方法になるはずです。

評価の仕方は以下の通り
1)CDをプレクのSCSI接続のCD-ROMで読み取りネットワークプレイヤーの再生ソースとする
2)CDPは元CDをそのまま再生するものとする
3)どちらも同軸ケーブルでデジタル出力をDACにつなぎDACのアナログ出力を聴く
もしもネットワークプレイヤーが原理的に優れているならCDPと同等以上の再生音を得ることができるはずだと仮定致します。
DACは某オーディオ評論家の方のお勧めもありDR-1と相性のよいESOTERIC D-03を調達しております。

まず最初に誰もが試すのはNASよりUSBメモリ(SAN DISK USB3.0 64GB)だと思いますが意外にもUSBメモリでの再生はまあそんなに悪くなくそこそこイケているかなというところです。ですが名機と云われているCDPには及ばないのはまあやっぱりそうかなというところでした。CDPのデジタル出力はネットワークプレイヤーに比べ安定度の高いクロックを使ったかのごとくバックグラウンドが静かに感じられます。CDPの名機はやはりそれなりのポテンシャルがあることを気づかされました。


某社製の4ベイのNAS BOXでRAID 5が使用可能(CPUがしょぼいので読み出しは速いが書き込みは遅い)

次はNASにファイルをコピーして聴いてみるということになりましょうが、実はこれが予想以上にダメダメの結果になってしまいました。はっきり云ってしまえば2TBの最新の6G-SATA(Seagate ST2000DM001)を4台使ったRAID5のNASからの再生音は重く暗くとてもメインシステムで聴く気になるというものではなかったです。ネットワークオーディオをやっている人に尋ねてみたところ、やはりHDDは高域のプレゼンスが失われるので使えないと云っておられました。ただ、HDDはダメだけれどもSSDなら良いはずだということでした。また、RAIDもやってはいけないということでした。素人オーディオ的には複数台のDISKを使ったNASにRAID5がないなどというのは論外だと思われますが。ディスクは壊れるものなのでRAIDを使うのは当然だと思うのですが。ちなみに過去の実績からHDDとしてはもっとも質が良いと思われる15K RPMSASを使ったらどうなるかやってみたかったのですがSASはゲージにすらささらないので使用不可でした。蛇足ですがML110G7のゲージにはSASもささりますが内臓コントローラーはSASを認識しません。ですので別のコントローラーが必要になります。結果としてSASが使えるNASボックスがあればそちらのほうが安くつくかもしれないです。


HPの保守用 15K RPM SAS 450GB DISK (同じ容量のSSDの半額以下で購入)

HDDはダメということなので同じNASボックスを買い足して今度は500GBのSSD(SAMSUNG 840 500GB)を1台だけ入れてシングルディスクで試してみました。その結果HDDよりはずいぶん良いように思えますがUSBメモリと同じか若干悪いくらいでSSDが救世主になれたかといえばそうではないようです。結局最初に試したUSBメモリがおそらく最も良いということになりました。なお、SSDNASは50センチくらいのCAT6Aの太いケーブルでハブに接続しハブから同じ6AのケーブルでNA7004に接続するという理想的な環境で実験したことを申し添えます。もちろんハブはそこそのお品物です。

理由を考えてみれば、それはそうなのかなということではあり、オーディオ機器に比べてノイズの発生源が多く、さらには質のよろしくない電源が使われているので、それらの影響を受けているということなのでしょう。つまりはオーディオ機器に比べてノイズ対策が大変になるのは確実だということを意味するでしょう。

ネットワークプレイヤーの中でも世評の高いオーレンダーなどは、当然NASも使えるでしょうけれど、わざわざリチウム電池SSDを内蔵し再生時にネットワークを使わないプレイヤーとして動作していると聞きます。実験の結果からも、オーレンダーが有利なのはネットワークを経由することで重畳してくるノイズを排除しているためだとも云えるような気が致します。

素人オーディオとしては、ネットワークからデーターをリアルタイムに拾ってくるネットワークプレイヤーはオーディオ的にはさほど有利ではないと思うことにするしかなさそうです。

もちろんノイズ対策をすれば良くはなるのでしょうけれど、それでもNASUSBメモリに負ける可能性もあり、利便性は高いにしても努力して良くする甲斐があるものなのかと思ってしまいます。もちろんNA7004のお話であって高級なネットワークプレイヤーでは事情が異なる可能性はありますが、NASをソースとしたネットワークプレイヤーは果たしてCDPより本当に有利なのかどうかと思う次第でございます。

ましてやすべての音楽信号がネット経由で購入できるわけではなく、最も資産として充実しているのはCDであって、CDからリッピングしてNASに蓄えるという作業も多く発生するはずです。ですがこの作業、オーディオ的に完璧と云えるレベルで実行するのは難しいと考えます。ちょっとしたことで出来上がったWAVファイルの品質が変わってくる(バイナリデーターは同じでもオーディオ的な品質が異なるという奇っ怪な現象を云います)のは良く知られていることです。いまだにプレクのSCSI CDを超えるものはないという意見もあるくらいで私もそれには同意致します。CDはCDPで聴くのがやっぱりいいかな...ということなんでしょうかね。

ただ、ハイレゾ音源や今後始まるDSDの配信についてはネットワークプレイヤーの独壇場になるでしょうから(DVD Audio or DSD Diskに焼く方法はある)それについては期待したいところです。今後はファイルで配信されたDSDSACDのどちらが良いかみたいな比較もできるようになるかもしれません。DSDは192K/24bitよりは効率が良いにせよ大容量のDISKが必要になるのでやはりRAIDは避けられないでしょうけれど。

またしてもイモバ

またしてもイモバです。ソフトバンクM&Aされちゃったのでどうなるかと思っていましたが3月7日にLTEスマホを発売したようです。素人オーディオはA社の3GスマホからMNPして来ました。1万円引きでも損失は出ますがこのままA社3Gを使うよりはずっとましかと。

素人オーディオは地下鉄通勤なので3G+WI-MAXスマホを使ってきました(富士通製)。D社はガラケーで音声通話用に使っているしS社は1.5GHz帯なので論外です。A社の3Gはディザリングはまったく使い物にならないレベルで救済としてWI-MAXが使えるようになってるのですがWI-MAXはわざとエリアが絞ってあるか空いている場所でしか使えないようにしてあるかのどちらか(あるいは両方)で定位置でディザリングしても速度が変動しPC向けの大容量のページを表示させるのは無理でした。しかもA社の場合は何か設定を変更するにはやたらに階層の深いWEBにはいっていかされるのがかなりイライラします。速度も駄目だしシステムもイライラなら他に良いものがあれば飛びつくのは当然かと。オーディオマニアらしい感覚ですがA社の3Gスマホは音声通話の品質は過去最低でかなりひどい音でした。D社のガラケーの品質を大きく下回るレベルかと。

まずは自宅でディザリングの性能を測定してみましたが(イモバスマホ東芝Ultrabook)短時間のサステイン値で20Mbitsを超えているようです。iPhone5のディザリング性能と比較しても決して悪くはないでしょうし月額3880円でこの性能(5GB制限あり)ならダントツのコスパでしょうね。地下鉄で移動する際には3GとLETのスワップが発生してまともに使えない可能性があるので追々評価していみないといけないですし都心でどれだけの速度が出るのかも問題ですが自宅のバックアップ回線に使えるレベルなのは評価に値するでしょう。

音声通話の品質はD社のガラケーよりいいくらいかも知れません。D社のLTEスマホの音声品質も悪かったので通話用には使う気になれませんでしたがイモバは通話品質も良く満足です。

エリアや通話品質を総合的に評価するといまだにD社のガラケーは優秀ですが、データー通信主体のスマホの場合はコスパで選べばイモバでしょう。音声通話の品質も悪くないので都会なら音声通話に使っても不満はないでしょう。1台で済ませることも可能かと思われます。