Symmetricom 6502B

先日手に入れたディストリビューターアンプの6502Bです。
パネルには6502としか書いていないのですがSymmetricomが出しているのはほぼほぼ6502Bで側板ラベルの型名は6502Bとなっています。

10MHzの周波数リファレンスしかも1V RMSレベルに特化した(内部アンプのゲインが2固定ということ)ディストリビューターなどは単体では売れるはずもないので高精度な周波数標準機器を扱っているメーカーならではのラインナップでしょう。

分配器など自分で作ったら面倒なことになりそうなので安く出回っているものをゲットするに限るのですが、以前オークションで比較的安価な米国製のキット(有志団体製作)を購入して製作したことがありましたが特性はさほどよろしくなかったです。確かに中身は結構贅沢な構成で出力にはトランスが入れてあるなどトラブルのないように配慮されてはいましたが。

6502Bは10分配でこれだけあれば一通りの機器にはリファレンスを供給できるのでとても便利ですが問題は位相雑音特性です。入力周波数がリファレンスと同じであればリファレンス以上の測定精度は期待できないので重要なファクターになり得ます(10MHzで10MHzを測定する場合などがそれに当たる)。

なのでZ3801Aの信号を使って直結と6502Bを通した場合(もちろんスルーではなくアンプを通したもの)を比較してみましたがほぼ劣化なしにバッファされているようでした(カタログ以上の性能)。もちろんオーディオに使っても悪くはないと思いますし100万円以上もするルビジウム+分配器よりはよほど性能は良いはずです(素人オーディオはオーディオには使いませんが)。

ただまあ入手した個体に関しては改造してあるのか壊れているのかわかりませんが50Ω受けができないようでした。入力端子が2つあってスルーしているのでカスケードのときは恐らくHi-Zで受けるのでしょうけれどカスケードしない場合は50Ωで受けるのが普通だと思います。しかしながらスイッチをHi-Zから50Ωに切り替えてもHi-Zのままで片方の端子にターミネーターを入れないとアンプが飽和してしまうようでした(もちろん飽和してくれないと接続機器を壊す可能性があるので飽和してくれた方が良い)。ターミネーターを入れても特性は劣化しないのでまあ悪くはないのですが。

ダメダメな性能なものしかなければ自分で作るしかないかなと思ってはいたのですが基板を興すだけでもやたらに経費がかかるのでちょっと高くても買ってしまった方が得策と云えば得策かと。

6502Bは素人オーディオとしてはまあまあ普通に使えるレベルのよさげな製品という感想でした。
何度も言いますけど分配器って自分でイチから作ったらお結構金かかりますからこういうのは有り難い製品です。性能の良いGPSセシウムの出力数はそんなには多くないですから。

パッチボックスみたいのを作って差し替えるという手ももちろんなくはないのですが...それもまあめんどいですよね。
手間がかかることすなわち泥沼にはまりやすいこととも云えるのでそういうのは避けておいた方が無難かと。