中華DACの試聴 ハイエンドのSPシステムにて

中華DACは結局OP-AMPを交換した以外には何もしていないですが割と良いと思えたのと、基本試聴はスタックスのコンデンサヘッドフォンで行っていたのでまともなシステムで聴いたらどうなのかは興味のあるところでした。

そんな折に知人の方が素晴らしいSPシステムを導入されたということで聴かせていただいたのですが(もちろん素晴らしいの一言です。本体価格は1000万円だそうです。)そのとき時間があったのでエソの300万超えのトランスポート+DACシステムのDACの代わりに中華DACをつないで音出をしてもらいました。

結果としてもちろん300万円には及ばないはわかるのですが、予想以上の出来具合であったため何度も聞き比べてやっぱり300万円がいいなというくらいでしたし試聴が終わった時点で中華DACはまともだしかなり良いというコメントを戴きました。

ちなみにどんなSPシステムか写真をもってくればよかったのですが自分のシステムでもなくブログへの掲載を申し出るのもなんだか図々しいのでやめることにしました。同価格帯のマジコやYGの上を行くシステムではないかと思います。ツイーターはボロンそれ以外のユニットはナノカーボンで低音は内蔵のデジタルアンプ駆動です。ツイーターは4個使いで球面配置されています。かなり音量を上げでも解像度が落ちずダイナミックレンジも素晴らしく広いようでした。

試聴は中華DACはエソのトランスポートから同軸でSPDIFをもらってきて再生、対するエソのセパレートDACは左右独立のES LINKを使ってトランスポートからDACに接続しDACには高品位の外部クロックを使用。なのでエソDACの方が条件が良いのは明らかなのですがそれでも割と健闘していました。セパレートに比べれば音数は減るし奥行きも出なくなるのですが全体的にとても綺麗な音で嫌な感じがしないということす(帯域バランスは良い)。フィルタ設定についてはSLOW ROLLが良かったです。これは私の試聴結果と同じです。

エソのセパレートDACはデュアルモノ構成で電源部にお金をかけているので格調高い質感が出せるのだとは思いますが、その点中華DACは全体的に安い作りなので負けてしまうのは仕方ないところでしょう。しかしながら価格差を考慮すると素晴らしい出来だと云わざるを得ないです。なにせ何度も比べて聴いていたくらいですから決して悪くはないのです。全然ダメだったら「ダメだなこれは」ということで終わってしまうのが常ですから。ちゃんと聴いていましたがから少なくも何か良い点があったに違いないですし安いなりにまとまりが良かったということもありましょう(ちなみにエソのセパレートはAK4490です)。

ということで激安の中華DACは値段を考慮すれば十分な実力があるということでAK4495のポテンシャルの高さを証明できたということ、あるいはOP-AMPのセレクションは比較的重要な要素なのかなということが伺い知れたところでしょうか。もちろん超高速のOP-AMPでなくてもそれなりの質感が出せているということでしたし試聴の結果システムに合ったものを選べば良いということなのでしょう。

超高速アンプを使っても発振などしてればまともな質感は出せないと思いますが、中華DACは若干高速性が劣るOP-AMPを使っていますがその代わり発振などおかしな動作はしていないことは確認できているの綺麗な音が出せているのだとは思います。部品はケチ臭いし基板はイモですけれどね。

ちなみにですが知人宅は最近までスカルラッティシステムをお使いだったのですが4497を積んだ200万円くらいのCDPや4490を積んだ300万円くらいのセパレートシステムなど複数のシステムを比較試聴してスカルラッティと入れ替えを行っています。そろそろスカルラッティは入れ替えた方が良いのではとそそのかしたのは素人オーディオなのですが。なにせトランスポートだけでも中古で100万はくらだないにしても積んでいるのはエソの比較的古い型ですしペアで使うDACも若干古くなってきたように感じられただからです。
そういうこともあり試聴には立ち会っていますが新進気鋭の4497のCDPは世の中では評価されているようですが試聴した限りにおいては荒削りであまり良くなかったように記憶しています。ちょっとだけ聴いた感じでは華があるようにも聞こえるのですが一体型のCDPでは厳しい感じもなきにしもあらずのようです。やはりDACチップだけでは音は決まらないというのが実情ではないでしょうか。

しかし驚いたのはエソのトランスポートの実力です。最初からハイレゾで提供されるPCやメモリからのストリーミング再生が良いのもわかるのですがとくに元がCDの場合はリッピングしてファイルで再生するまでもなくそのままお皿をかけてもかなりまともです。DACへの転送方式もHDMIなのでUSBより帯域が広く悪い点は少ないです。あるいは幅広いクロック入力に対応し送り出し側と受け側の両方に供給できるので高品位クロックの恩恵受けることもできます。なので300万はちょっと...とは思いますがCDあるいはSACDをメインとするならばあれこで自分で試して良いものを探すことにくらべると時間と手間を節約できリスニングの時間に回せるという意味では価値があるかもしれません。ちなみに素人オーディオはこのシステムの2世代くらい前のシステムを使っていますがトランスポートの実力はなかなかのものだと思います。

素人オーディオはハイエンドのシステムを聴かせていただいてすばらしいと感動はするのですが...それよりもオシロやスペアナあるいは基準周波数関係の機器等をいじって遊んでいる方が今のところは楽しいです。一部屋潰してまで測定機器を入れるなど普通はしないでしょうけれどね。