ネットワークオーディオを試してみました編

ブログの記事を書くのはかなり久々で半年くらい放置しておりました。
いろいろネタもたまって来てはおりますが貧乏暇なしでなかなか書く機会がないのでございます。

最近は決算期だ消費税増税だということで消費財の導入などに奔走しており、いろいろなことをいっぺんにやったものですから処理仕切れず大変でした(笑)

そのひとつがインターネット回線ですが、ダークファイバーを引いてもらって固定IPのギガビット回線に切り換えを実施しました。基本OEが不要なEthernet接続でありながらルーターが必要などよくわからない設定になっておりましたが、Ethernetなんだからルーターを使ってユーザーにIPを指定させるのではなくISP側で勝手に割り当てて欲しいものです。ギガを通すために高いルーターを入れなければならないのは理不尽ですよねえ。全部が固定IPの契約じゃないしIPの数も様々なのでそうなってるんでしょうけれど。

オーディオのトピックとしてはAC100Vを大容量のリチウム電池から作れるようになったことでしょうか。供給は30Aがリミットですが電灯線から完全に独立した電源です。基本災害時に使うことが前提ですが音が良ければオーディオ用に使うこともできるでしょう。もちろん暇がないのでまだ試してはいません。

そのほかにはWINDOWSサーバーと独立した安価なNASを何台か入れました。サーバーに何台もDISKを内蔵すると筐体の規模が大きくなるし24時間連続で動作させなけれなならないので電気代が馬鹿になりません。NASなら用がないときには止めておけばいいわけです。安価ゆえNASは高級なハードを使ったWINDOWSサーバーに比べると速度が遅いので、サーバーのバックアップファイルの保管や半ば整理するのが面倒なファイルをそのままコピーして溜めておくみたいな使い方になりそうです。パフォーマンスよりは各種プロトコルに簡単に対応できるとか値段が安くつくとかそういう面を求めています。

で、NASがあればネットワークオーディオを試してみたくなるわけですが、今回はそれをメインテーマにしたいと思います。
ちなみに新幹線で移動中に書いております。


ネットワークオーディオを試してみました編

最近はCDPを捨ててネットワークオーディオを中心にシステムを組み直す方が増えているようで、ネットのオークションなどでは、名機と云われているCDPが数多く出品されているように思います。取り残されないためにも素人オーディオとしてもこのへんでネットワークオーディオは試しておくべきだと考えておりました。
まずは安価でそこそこ使えそうなネットワークプレイヤーを入手しNASを使ってデジタル出力の品質をチェックするということになろうかというところですが、改造すること等を考えるとやっぱりマランツのNA7004でしょうね。失敗しても惜しくないですしね。

当然ですがNA7004のアナログ出力を評価しようなどどは思っておりません。デジタル出力をDACについないでCDPと聞き比べるというのが正当な評価方法になるはずです。

評価の仕方は以下の通り
1)CDをプレクのSCSI接続のCD-ROMで読み取りネットワークプレイヤーの再生ソースとする
2)CDPは元CDをそのまま再生するものとする
3)どちらも同軸ケーブルでデジタル出力をDACにつなぎDACのアナログ出力を聴く
もしもネットワークプレイヤーが原理的に優れているならCDPと同等以上の再生音を得ることができるはずだと仮定致します。
DACは某オーディオ評論家の方のお勧めもありDR-1と相性のよいESOTERIC D-03を調達しております。

まず最初に誰もが試すのはNASよりUSBメモリ(SAN DISK USB3.0 64GB)だと思いますが意外にもUSBメモリでの再生はまあそんなに悪くなくそこそこイケているかなというところです。ですが名機と云われているCDPには及ばないのはまあやっぱりそうかなというところでした。CDPのデジタル出力はネットワークプレイヤーに比べ安定度の高いクロックを使ったかのごとくバックグラウンドが静かに感じられます。CDPの名機はやはりそれなりのポテンシャルがあることを気づかされました。


某社製の4ベイのNAS BOXでRAID 5が使用可能(CPUがしょぼいので読み出しは速いが書き込みは遅い)

次はNASにファイルをコピーして聴いてみるということになりましょうが、実はこれが予想以上にダメダメの結果になってしまいました。はっきり云ってしまえば2TBの最新の6G-SATA(Seagate ST2000DM001)を4台使ったRAID5のNASからの再生音は重く暗くとてもメインシステムで聴く気になるというものではなかったです。ネットワークオーディオをやっている人に尋ねてみたところ、やはりHDDは高域のプレゼンスが失われるので使えないと云っておられました。ただ、HDDはダメだけれどもSSDなら良いはずだということでした。また、RAIDもやってはいけないということでした。素人オーディオ的には複数台のDISKを使ったNASにRAID5がないなどというのは論外だと思われますが。ディスクは壊れるものなのでRAIDを使うのは当然だと思うのですが。ちなみに過去の実績からHDDとしてはもっとも質が良いと思われる15K RPMSASを使ったらどうなるかやってみたかったのですがSASはゲージにすらささらないので使用不可でした。蛇足ですがML110G7のゲージにはSASもささりますが内臓コントローラーはSASを認識しません。ですので別のコントローラーが必要になります。結果としてSASが使えるNASボックスがあればそちらのほうが安くつくかもしれないです。


HPの保守用 15K RPM SAS 450GB DISK (同じ容量のSSDの半額以下で購入)

HDDはダメということなので同じNASボックスを買い足して今度は500GBのSSD(SAMSUNG 840 500GB)を1台だけ入れてシングルディスクで試してみました。その結果HDDよりはずいぶん良いように思えますがUSBメモリと同じか若干悪いくらいでSSDが救世主になれたかといえばそうではないようです。結局最初に試したUSBメモリがおそらく最も良いということになりました。なお、SSDNASは50センチくらいのCAT6Aの太いケーブルでハブに接続しハブから同じ6AのケーブルでNA7004に接続するという理想的な環境で実験したことを申し添えます。もちろんハブはそこそのお品物です。

理由を考えてみれば、それはそうなのかなということではあり、オーディオ機器に比べてノイズの発生源が多く、さらには質のよろしくない電源が使われているので、それらの影響を受けているということなのでしょう。つまりはオーディオ機器に比べてノイズ対策が大変になるのは確実だということを意味するでしょう。

ネットワークプレイヤーの中でも世評の高いオーレンダーなどは、当然NASも使えるでしょうけれど、わざわざリチウム電池SSDを内蔵し再生時にネットワークを使わないプレイヤーとして動作していると聞きます。実験の結果からも、オーレンダーが有利なのはネットワークを経由することで重畳してくるノイズを排除しているためだとも云えるような気が致します。

素人オーディオとしては、ネットワークからデーターをリアルタイムに拾ってくるネットワークプレイヤーはオーディオ的にはさほど有利ではないと思うことにするしかなさそうです。

もちろんノイズ対策をすれば良くはなるのでしょうけれど、それでもNASUSBメモリに負ける可能性もあり、利便性は高いにしても努力して良くする甲斐があるものなのかと思ってしまいます。もちろんNA7004のお話であって高級なネットワークプレイヤーでは事情が異なる可能性はありますが、NASをソースとしたネットワークプレイヤーは果たしてCDPより本当に有利なのかどうかと思う次第でございます。

ましてやすべての音楽信号がネット経由で購入できるわけではなく、最も資産として充実しているのはCDであって、CDからリッピングしてNASに蓄えるという作業も多く発生するはずです。ですがこの作業、オーディオ的に完璧と云えるレベルで実行するのは難しいと考えます。ちょっとしたことで出来上がったWAVファイルの品質が変わってくる(バイナリデーターは同じでもオーディオ的な品質が異なるという奇っ怪な現象を云います)のは良く知られていることです。いまだにプレクのSCSI CDを超えるものはないという意見もあるくらいで私もそれには同意致します。CDはCDPで聴くのがやっぱりいいかな...ということなんでしょうかね。

ただ、ハイレゾ音源や今後始まるDSDの配信についてはネットワークプレイヤーの独壇場になるでしょうから(DVD Audio or DSD Diskに焼く方法はある)それについては期待したいところです。今後はファイルで配信されたDSDSACDのどちらが良いかみたいな比較もできるようになるかもしれません。DSDは192K/24bitよりは効率が良いにせよ大容量のDISKが必要になるのでやはりRAIDは避けられないでしょうけれど。