大容量リチウム電池の音

EV雑感で書かせていただきましたが、EVの電池は20KW/h前後の容量があり家庭用の電力源として使用できなくもありません。もちろんエアコンなどを使いまくったらみるみる減ってゆくでしょうけれど災害時に1日2日程度細々と使うくらいの量は確保されていますし、オーディオに使うくらいであればそれもまたまったく問題ないレベルでしょう。

といういことで電力会社から完全に独立したAC電源は果たして音が良いのかどうかやってみました。

素人オーディオのシステムでは柱上直結の200Vを使っており電灯線は引いてあるけれども使うことはありません。ですがリチウム電池から起こした電力は電灯線の方に来ることになりますのでそちらに差し替えて試聴することになります。給電装置は30Ax2ですがそのうち1系統はオーディオシステム用の配電盤に直結です。

テストは200Vでしばらく聞いてからリチウム電池から起こした電灯線に切り替えて比較することに致します。もちろん最後に電力会社の電灯線に切り替えてリチウム電池と差があるのかも確認いたします。

まずは200Vですが普通と言えば普通ですがノイズが少ないので一音一音がはっきり聞こえる感じがします。
しばらく聞いてからリチウム電池から起こした電灯線に切り替えましたが、エッジが鋭く一音一音がさらにはっきり聞こえるようになり、印象としては(若干雑ではありますが)アルカリ電池の音よりもさらに明るく元気な感じです。最も効果が大きかったのはDACでバックグラウンドが静かになり全体的にくっきりはっきりした感じになりました。もちろんCDPやネットワークオーディオプレイヤーでも効果はありますが最も効果があったのはDACです。

DACを実際に電池駆動したことはありませんがリチウム電池から起こした電灯線をDACに使った場合の効果はプリアンプをアルカリ電池で駆した場合の効果と同等以上であると思えます。200Vの音が丸く柔らかく聞こえるくらいですから明かな効果があると云わざるを得ないです。もちろん200Vは電灯線ではありませんよ。

で、ネットワークプレーヤーにリチウム電池から起こした電灯線を使い、CDPに200Vを使ったらネットワークプレーヤーの方が良くなるかと思って比較してみましたがやはり逆転はありませんでした。CDPの方が優位なのは変わりませんでした。ただ、NA7004のデジタルアウトは4万円しないプレイヤーとしてはなかなかのものだと言えるのかもしれません。電源を良くしても高級なCDPにはかなわないけれどコストパフォーマンスとしては良いでしょう。

で最後に電力会社の電灯線に切り替えて試聴しましたが、最悪だったのは当然と言えば当然です。暗く重くどうもサエない音です。

リチウム電池から起こした電灯線 >>> 電力会社の200V >> 電力会社の電灯線

という結論ですが予想通りだったのであまりおもしろくはないですよね。ただ、リチウム電池から起こした電灯線がすべての機器で200Vより格段に良い結果になるかと云えるかどうかは微妙です。DACリチウム電池から起こした電灯線の方が明らかに良いのでこれをどう考えるかですが機器の素性が良ければ電源の改善効果が大きくなる?とでも解釈しておきましょうか。

なお、今回は適当に試聴しただけなので、以後、時間をかけてじっくり聴いてみることにいたしますが、リチウム電池から起こした電灯線をオーディオ用に使った場合、電力会社の200Vを明かに上回る程に良質な電源になる可能性は高いでしょう。
追記
その後、何回かリチウム電池の音を聞いてみましたが、これまでにない質感の高い電源であることはおおよそ間違いないと思います。まさにオーレンダー式という感じでしょうか。
電気自動車のオーディオマニアらしい使い方と云えるでしょうし、オーディオマニアにとっては電気自動車の付加価値を高める要因に十分なり得ると思います。電池とインバーターの製造元はニチコンです(笑)