HP-5071A

HP5071Aは日本の国立天文台などが複数台を同時に使用している(ドリフトが一定方向に偏らないようにするため)国家標準レベルの原子時計ですよね。素人オーディオも実は1台保有しています。画像などを載せて自慢する程ではないですが(笑)

5071Aに関して✕文の担当の方とお話したことがありますが、5071Aに使っているセシウムバルブは製造コストが掛かる割に(5071Aの稼働数の減少のため)需要が極端に小さくなりつつありスペアバルブの価格が高騰しているようです。数年前ですでにバルブのみで500万円はくだらないということでしたしバルブ自体値段が高いのでスタンダードバルブでもハイパフォーマンスバルブでもお値段は大差ないようです。一昔前であれば5071Aは300万程度で買えたはずではありますが現在はバルブだけで500万を超えるお値段だそうです。値段が高いがために互換バルブというものが出現したそうですが素性についてはよくわからないということでした。オリジナルより若干落ちるというものなんだとは思いますが。

バルブが非常に高価ということになると個人では交換するのはまず無理ということになりバルブの寿命は大きな問題になります。スタンダードバルブは10年以上は使えるそうですがハイパフォーマンスバルブの交換サイクルは3年だそうで3年即寿命ということではないですが寿命を迎え故障する確率が高くなるので交換するということになるんでしょう。ちなみに素人オーディオの所有している5071Aにビルトインされているのは純正のスタンダードバルブです。周波数校正用にはスタンダードで十分ですしハイパフォーマンスバルブで改善されるのは長期安定性で短期安定性には大差はないようです。そもそもセシウム自体のの短期安定性はさほど良くはないので素人オーディオ的にはすぐに壊れてしまうハイパフォーマンスバルブは敬遠したいことろではあります。

最近どこぞで古そうな5071Aにハイパフォーマンスバルブがビルトインされたものをみかけましたが動作品であるとしてもバルブの交換代金があまりに高くつくために放出されたものかもしれないですね。バルブの交換補修代金と新品の購入代金とがあまり変わらなくなってきているので本体が古くなれば放出される可能性も高くなるでしょうし。用途からして連続通電し劣化してきたところで予備機に交換するというものでしょうから十分に使えそうなハイパフォーマンスバルブが搭載された5071Aが放出されることはまれであると推測するのが妥当なところでしょうか。

ちなみに素人オーディオはどうしたかと云えば最初に譲渡金額を確認した上で2週間とか3週間貸し出していただき問題なければ譲渡していただくという手順でお願いしております。先方は本体を潰す場合はセシウムバルブの廃棄にもコストかかかるので引き取っていただいた方が嬉しいということでした。セシウムバルブの廃棄は専門業者に依頼する必要もあり事務処理的にも結構面倒なんでしょう。

ちなみに素人オーディオはJFE(京浜工業地帯)のプラントの一角にある産業廃棄物の処理場に行ったことがありますが(プラントの中にも道路や信号があろめっちゃ広い)そんな感じのところにダンプからザーっと落として潰して焼却廃棄って感じでしょうかね。運搬時には割れないようにする必要もありそうですけれど。

以上、セシウムルビジウムと違って厄介なシロモノかもしれません。使ったことがない人はどーしても欲しいと思うかもしれませんけれど個人で中古(新品は1000万円近いです)を買う場合はいろいろ考えてからってことでしょうかね。もちろん値段も安くはないでしょうし。