OPA627AUの真贋判定

AK4495/DACで遊ぶ課程で複数のOP-AMPを交換して試すうちにOPA627のSOPパッケージとDIPパッケージの特性差が大きいことが判明しました。
SOP ---> 小信号SR 7V/μS
DIP ---> 小信号SR 55V/μS
測定条件 G=+2, Vout=2Vpp, RL=1KΩ





真贋はSRだけでは判定できないので他の証拠が必要でしたが判定を手がけておられる方からの情報で内蔵されているチップ上のある部品で判定できるということでした。
外部から測定してみるとAPとAUでは1桁半程度値が異なっていたので両者は別物であると断言できそうです。またSRの値とこれらの値からモノホンと判定できるのはAPの方であるということです。

ニセモノ(模造品)と言えば医薬品でも多数見つかっており最近ではきわめて薬価の高いHCV治療薬RANポリメレースインヒビター「ハーボニー」でも日本国内で流通していた医薬品の中から模造品が見つかっているそうです。成分については分析中とのことですが場合によっては純度の高い成分が規定量含まれている可能性もあり得るでしょう。半導体の場合にも流通量が比較的多く高価なものたとえば今回のOPA627(AU)などにも模造品は存在しているということでしょうか。医薬品はまったく効かなかったらすぐバレるので有効成分が含まれている可能性もあるでしょうし過去有名なザンタック(H2ブロッカー消化性潰瘍の治療薬)の模造品が発見されたことがあるようですが驚くほど純度の高い有効成分が含まれていたそうです。なので模造薬ではあるけれど効かないわけではないということになってしまいます(医薬品としての製品規格を満たしていたかどうかはさだかではない)。
半導体の模造品はほぼ確実にモノホンより性能が落ちる粗悪品とは思われますが性能は悪くても音は出るしオーディオの場合は評価には聴感という各個人で異なる尺度を使っているので測定しなければどうせバレないということになりましょうか?たとえば金田式に使うTO-3やTO-66のトランジスタは古い物で真似をするのが難しかったためニセモノと簡単に判別できるパロディとも言えるレベルの模造品が多かったようですが今回のAUはエンボスで提供されておりマーキングもそれらしくされていましたので確かに見ただけで模造品であると即座に指摘できなかったです。そもそもAUなど買って使ったことなどかなかったですしね。

いずれの場合(医薬品および半導体)も正規ルートで購入していなかったもの(AUはオークションで買ったもの)ということでは共通しています。有名どころの半導体流通業者は大丈夫でしょうけれどそうでない入手先の場合気をつけた方がいいのかもしれません。
ただし模造品が流通していること指摘しつつ本物であることをきちんと謳った売り方をしていれば問題なさそうです。
ご協力に感謝致します。

ちなみにですが話を聞いたところによるとハーボニーの中身はネーイチャーメイドだったそうです。しかも複数の種類が混ざっていたとかでバレないように工夫するなどどいうレベルではなかったそうです。組織的に模造品を製造してバラまいているとかいうお話ではまったくなさそうです。なお、ネイチャーメイド製造元のO社さんはコメントを発表して関与を否定しているそうですが(そりゃ医薬品メーカーでもあるO社さんがそんなことをするハズはないです)。
製造元ではブリスターパッケージへの変更を検討しているということでした。そもそも1錠何万円もする(製造原価は高くても数百円でしょうけれど)錠剤を単にボトル詰めて売るみないなことだったわけで確かにそれでいいと言えば良いんでしょうけれど(たとえば数錠余分にはいっているみたいなことはしているかもしれないですしね。1錠の重さが軽い場合はなおさら重量では検知しづらくなるのでアンダーにならないようにしなくてはならない。)模造品の流通を意識していなかったことが配慮に欠けるということになりましょうか。
悪くはないですけれど生産効率を重視してボトルしか作らないという方針だったとも取れなくはありませんね。もちろん海外ではそれが一般的でむしろブリスターにすると取り出しにくいとかそのまま飲んじゃう輩が出てくるとかの問題があるようです。