GPSの10MHz分配

どっかにそういうキット製品があるって聞いたことがありますがどこに売ってるかよくわからないので自分で適当に作るしかなさそうです。というのはGPSの10MHzを分配する装置です。

どんな回路かと云うと実はとても単純で非反転の2倍(AV +2)アンプの出力に直列に50Ωです。この回路を分配の数だけ作ってやれば良いわけですね入力は50Ωで受けてあとは並列でいいでしょう。

ですがせっかく自分で作るんですからしょぼしょぼのOP-AMPを使うのはイヤですよ。せめて20-30MHzくらいまで綺麗に通してくれるようにしておかないとですね。

でもなかなかまともなOP-AMPは手に入らないです。ひずみが多いOP-AMPは避けたいですから電流帰還ではなくて電圧帰還タイプの方がどちらかと云えば有利になるわけですがTI/BBのカタログを見てもユニティゲインまで安定で20MHzくらいまで低歪で綺麗に通してくれるOP-AMPはほとんどありません。

OPA842というのが良さそうですが実は製造中止になったBBのOPA642と同等品でDigiKeyで探しても842/642とも常時在庫なし状態です。最小発注単位1000個とかなら買えるかもしれませんが。1000個買ってもしょうがないし1個買ったら高いでしょうねえ。



ということでしたが秋葉で独自の調査を実施しGETしたのがコレです。製造時期が0031ですからちょっと古いですけれど腐ってはいないでしょう(笑)

価格は1個あたり300円ですが秋月でLM7171が200円ですから妥当な額でしょう。あこがれのBBのOP-AMPですからもしWKとかで売ってたら結構高いと思いますよお。300円ってことはないですよ絶対!

ちなみにLM7171と云えばかの有名なPRS-10の内部に使われているOP-AMPですがLM7171は10MHzくらいまでがぜいぜいでしょう。素人オーディオとしては5MHzの3次歪が-51db(AV +2)などどいうのはイヤなので使いたくありません。おそらく10MHzではもっと悪い値になるはずです。SRは大きいですが13Vppなどの大振幅で測定しているからでしょう。ちなみにセトリングタイムも56nSと激遅でオーディオアンプを広帯域化したようなシロモノらしいです。その証拠に耐圧も30Vしっかりありますからね。超高速アンプはせいぜい11とか12Vくらいしか耐圧がないのが普通です。

とりあえずこのOPA642は素人オーディオの標準部品としてそこそこまとまった数を確保することにしました。Digikeyで売ってないなら在庫あるときに買うのよろしいかと。

でもまあ秋葉でこういうお宝が眠ってるとすればあすこくらいしかないんですよねえ(笑)でも行ってもないですよ残念ですが。

ということでしたが10MHzを超える周波数でアンプの高調波ひずみを正確に測定可能な信号源がなかったのでとりあえずパルスで評価しました。




実際にはLM7171よりOPA642の方がスルーレート(SR)が高いことがわかります。LM7171はすでに対称性を失っていてかなり厳しいです。OPA642はオーバーアンダーシュート気味ですが立ち上がりはなまってないです。

ちなみにこの回路は(AV+3)の単電源ACアンプでVCC 11Vなので、大振幅が必要な場合にはLM7171に±15Vかけて使った方が有利かもしれません。ですが1.5Vppくらいあれば周波数リファレンスとしては充分ではないかと思います。