ルビジウムを超えるOCXO

オーディオ的に長期的な周波数安定度はあまり問題ではなくごく短期の周波数安定度が求められることは素人オーディオが力説しているところではございますが...であればルビジウムセシウムではなくともOCXOで十分であるというより、実はOCXOの方が優れているということになってしまうのではないかという疑問が生じてきます。


このOCXOは10MHzですが比較的簡単に手にはいるものです。ご覧の通りADEVはかなり優秀でtau=0.1-10secではルビジウムを超えています。tau=1sec付近でADEV特性が出ていないPRS-10やLPROはこのOCXOに完全に負けているでしょう。OCXOのPNはは10Hzで-130db, 1Hzで-100dbを超えていますし,1KHzでは-160db以下でスプリアスもまったく見られません, tau=1secのADEVは1.96x10E-12ですからPNはPRS-10と同等以上でかつADEVは10倍近くOCXOの方が良いです。オーディオ的に見ればPRS-10やLPROはOCXOに比べてたいして良いところがない(長期安定性はルビジウムの方が良いが)ということになってしまいます。新品のルビジウムよりずっと安いこのOCXOで十分な性能が得られるはずです。もちろんFEと比較してもOCXOが優れているはずですがADEVは1-10secの間でOCXOとクロス(逆転)しPRS-10やLPROよりはずっとマシです。また, FEは50MHzもしくは100MHz(そのまま使えるかどうかは別として)を取り出すことが出来るのでDDSの原発としての利用価値があります。もしDDSに10MHzを供給したなら5倍もしくは10倍しなくてはらないのでスペアナで見ても簡単にわかるほど位相雑音は悪化し,もちろんADEVも悪化することになるでしょう。

ちなみにこのOCXOの特性はかの有名なBVAをリリースしているオシロクオーツ社の6万円から7万円程度の商品と同等(特性的には同等以上)です。ちなみにBVAはその10倍以上のお値段だそうです。