G01&G02

なんと贅沢な光景なんでしょうか...エソテリックの最新機種G01&G02を同時にリスニングルーム置いてしまうとは...
もちろん両方ともお借りしたもので素人オーディオが購入したものではありません。こうして恍惚感に浸れるのは一瞬だけです。

さて、お借りしたからには、当然ですが素性をチェックさせていただくことになりますが、それらについては概ね終了しているのでございます。貸して下さったスッポンサーの方には結果をご報告致しましたので、素人オーディオにもちょっとだけ書かせてただきます。

G01とG02の秘密についてはいつかこっそりとお教え致しますが、今回はG01に搭載されているPRS-10のチャートだけをお見せすることと致します。



PRS-10はざぞ性能が良いとお考えの方もおられるでしょうけれど、アラン分散をとってみると実際にはtau=2secあたりで極大値をとるようです(そのときの値は約1.5E-11でFEの3倍以上悪い値です)。LPROやFEでは右下がりのほぼ直線になっていますがPRS-10では違っています。原因はよくわかりませんがおそらくは周波数の調整方法に起因すると思われます。

ちょっとだけ秘密に近づきますがこのチャートはPRS-10の出力をダイレクトに引いてきて測定したもので、ルビジウムの裸の特性と言えます。何らかの回路を通過したせいてこうなっているのではありません。

ということでしたがG01/G02の秘密はしばし封印とさせていただきたいと思います。ですが、秘密はこれまでの記事から十分想像できるものですしPRS-10のチャートは大きなヒントと云えるでしょう。


なお、ご参考までに、特性のお話ではないですがG01/G02の制限事項についいて書いておきます。

G01;
正弦波10MHz OUTには常に内蔵しているルビジウムの信号がルーディングされる。
外部から入力した10MHz正弦波信号は正弦波10MHz OUTにはルーティングされない。A-C出力のTTLでしか利用できない。
G02;
10MHzはA-C出力のTTLでしか利用できない。
内部の10MHz OCXOは元々TTL出力であるため正弦波は出力できない構造。

1KHz以上のオフセット周波数の位相雑音は通常は正弦波が有利です。100Hz以下の低オフセット周波数の位相雑音はTTLでも正弦波でも大差ないですが。



オマケです。G01のルビジウム周りです。
VCXOまでは見えていませんがルビジウムの電源基板と10MHzの正弦波バッファあたりは見えていると思います。小型大容量電解コンデンサの塊なのはちょっと...と思います。高級パーツはあんまり見当たりません。チップのフィルムコンくらいは使っているようですが。内部シャーシとリアパネルは軟鉄板ですが磁性体はあんまりよろしくないんじゃみたいな...BGAパッケージを嫌ってかFPGAは古い世代のものを使い続けているみたいです。目的に合っているということなんでしょうけれどI/Oは遅いんじゃないのみたいな...

...見ればいろいろ云いたくなりますが、まあでもオーディオ機器としてはエソテリックさんの基板は綺麗ですし洗練されています。
さすが日本製といえるもので、測定結果からしても問題になるような手抜き(欠陥)などはありません。良心的に作られていると云ってよいと思います。ただしお値段的に見合っているかどうかは微妙ではないかと...G01は140万円を超えているようですし...