OP-AMPの歪率


WaveSpectraを使ってみるとOP-AMPの歪みが気になるようになりました。オーディオ用のADC入力アンプの定番はNE5532ですから多くの場合は同じ現象に突き当たるのでしょうか?オーディオ用超低ひずみ率と云われているフラットパッケージのOP-AMPを買ってきましたので試してみたいと思います。
A/Dの基板を取り出すにはやたらにたくさんのネジ(トルクス)を外さなければいけないのでかなり面倒です。なのでその前に5532のボルテージフォロワを組んで測定してみれば良いのですが...まあなんだかまどろっこしいのでいきなり交換といきましょう。

手に入ったのはLME49722とAD8672です。AD8672はSRが4V/uSと低い部類(計装用高精度アンプなのでこんなもんで良い)ですが振幅を取らなければ100KHzくらいは問題ないでしょう。49722は49720のフラット版です。
20db改善するとは思えませんが低歪OP-AMPの威力が発揮されるのかどうか...ですね。

Lineの経路には適当に調べると3個のNE5532が使われてるらしかったので交換しました。結果ですが2次歪は見て取れるくらいの改善はしているようですが3次歪はあまり変わってはいないようです。
顕著に改善されたのは-3db FS以上で急激に歪が増加するという現象です。電源電圧は±12Vかかっているので十分なはずなんですがOP-AMPの癖なんでしょうか?あるいはSRが足りないからなんでしょうか?その点についてはデーターをとっていないのでわかりませんが...

歪率的に有利になるレベルがあるようで-20〜-10dbくらいが最もよいようです。あまりレベルを下げて使うのも問題ですがそういうものらしいのです...0db付近が良いのがADCなんでしょうけれど本来は...

ちなみにパナソニックの歪率計で測定した結果は以下の通りです。
THD+N  -102db
THD    -117db
2nd HD -118db
3rd HD -128db

3次歪の値が悪く出ていることがわかります。OP-AMPのせいではないかと予測していましたが...超低歪OP-AMPを使っても3次歪は改善しないのでどうしてなのかよくわかりません。
3次歪が出やすい回路なのかどうかは実際に増幅回路を組んでみて歪を測定してみればわかるかもしれませんが...