ルビジウムコントロールドVCXO(LPRO)


米国DATUM社のLPRO

ルビジウムオシレーターの中では設計が新しいとされているDATUM社のLPROです。
ユーザーズガイドのリリースが2000年後半となっいるので、最悪2000年に製造されていたとしてもルビジウムセルの寿命がまだ残っているということでしょうか。少なくとも前世代のユニットよりは長く使えそうなので海外でも比較的高値で取引されているようです。
MTBF(平均故障間隔)は外気温25度のとき35万時間と記載されているので、数字通りなら連続40年使用可能ということになりそうですが、恐らく精度の問題もあるので保証期間は2年だそうです。
経年変化は抑えることはできませんが、動作してさえいれば調整によって精度を回復できそうです。
精度はセシウム原子時計には及ばないようですが1ppbくらいは期待できるので素人オーディオの周波数標準としては十分です。


接続方法(ユーザーズガイドより抜粋)

接続方法は至って簡単で24V2Aの電源があればOKです。ピンヘッダー経由で内部に給電してやれば10MHzのリファレンスが出力されるとあります。数分で制御ループがロックし±5E−8精度に達するとのこと。そのときロックシグナルがH→Lに変化するようです(ロックシグナルは5VのC−MOSゲートで受ける)。最終精度に達するのは約30分後だそうです。
どれくらい発熱するかわかりませんが、底面から廃熱するようにと書いてありますので、金属ケースにべったり貼り付けるように配置することになるでしょう。ロックするまでは15Wくらい食うはずですから相当熱くなるのかもしれません。

原理はなんとなくしかわかりませんが、中心周波数20MHzのVCXOの出力を逓倍してルビジウムの共振周波数を作り出し、ルビジウムの共振周波数にロックするようにPLLループを作ってやればよいということらしいです。
最終的に20MHzを半分に分周・バッファして10MHzの出力となるわけです。

届いたばかりなのでまだ使っていませんが、ロック状態を示すLEDなどを付けて遊んでみたいと思います。

追記1:
取り付けねじは#40のインチねじ6本
追記2:
スイッチング電源で駆動すること自体は問題ないが、スイッチング電源が周りの測定器などににノイズをまき散らす可能性が高いので、ドロッパ式電源を使用することにした。
追記3:
Agilent 33250Aを導入予定で、ルビジウムを基準とした任意周波数を発生させることができる。果たしてG-03Xで作った44.1KHzと33250Aで作った44.1KHzはどちらがよい?33250Aは正弦波も発生可能。
追記4:
ドロッパ電源に使う部品を集めていたら結構な値段になってしまうことに気づいた。まずはトランスが高い。DC2A取るためにはACで3A以上必要なので正規品を買ったら安くても3000円でトロイダルなら5000円はするでしょう。実際注文したのはRSのトロイダルで4.5A・25Vの2回路。大容量ケミコンも長寿命を狙うならそこそこ高いしレギュレーターICも結構高い。30V耐圧のOSコンも結構高くつく。私はメタキャン3端子が結構好きなのでブーストせず単純に5A取れるLM338Kを購入。338Kはメタキャンで底面積が広く熱伝導がよいので信頼性が上がる。ただしヒートシンクパワーアンプ並なのでこれも2000円くらいかかる。とにかくアナログ式ドロッパ電源はまともな部品を使うと高くつくこと間違いなし。おまけにケースも別になるのでバカにならない。今回はいっそのこと24V3Aの2回路という設計。別のルビジウムを同時に駆動できるようにする。