P型電源とN型電源

NPN TR(C959)が入手難であるためにファイナルをPNP TR(A606)に変更したものをP型と云うらしいです。過去には、PNP TR(A566)を使わないで済ますために、NPN TR(C1161)で作った+電源を重ねて2枚使う完全対称?シリーズ電源なるものが存在していましたが、最近はもっぱらP型手法が流行しているようです。

ということで、今回は電源に関して、スタンダードなN型/P型(各1)と過去の手法N型(2)とを比較してみることにしました。
残念ながらP型(2)については、高価な互換PNP TRを使うのはもったいないので実験していません。

実験ではNO198の±15V電源のシングルTrエミッタ出力版(制御TRは互換のPNPとNPN)で±15V(PN)電源と+15V×2(NN)電源とを比較しました。

結果ですが、コンディションによっては差を聞き取れない場合もあると思いますが、過去に金田先生がおっしゃっておられるように、NNの方が総じてリアルで感動できる音ではないかと思います。ピアノのタッチがよくわかるような気がするのもNNです。
世の中一般的にはPNなんでしょうが、Pを使うと全体的に丸く曖昧な感じになってしまうようです。あるいは聞きやすいのはPNですが時に不満を覚えるのもPNです。

互換TRはPNPとはいえCobがとても小さい石であってPとNの差は僅かです。もちろん制御TrだけではなくエラーアンプもPなのでその影響もあるのなかと思えます。

互換TRはPの方がどちらかと云えば入手難なので(PNとも入手困難ではありますが)都合が良かったと思います。これでPを無理に探さなくて良いのかと。ただしパワーアンプの2段目にはPの互換石は必須かもしれません。



作るのが面倒ならメタキャン3端子2個のNNも結構いいですよ(半田は乗りにくいですが)。