テキサスのADC評価ボード


TIの192Ks/24bit ADC評価ボードDSD OUT付 96KHzの高精度オーディオアナライザーとしても使用可能でしょう。


このボードは1年くらい前に取り寄せて、実験に使って以来降放置してありますが、まだ最新の部類に当たるものでしょうか?AK社のADC(5385AVF)などにくらべて、192KSで使った場合の量子化ノイズが明らかに少なかったので、技術の進歩を感じたものです。ダイナミックレンジは123dbだそうです(現在AKにも同等品があるようです)。

このボードだけでADCとして完結していて、TASCAMのHDDレコーダーなどには、AESダブルスピードを使って192KSでデジタル転送記録することが可能です。

入力回路はダイレクトカップリングで、差動入力のADC用に開発された専用アンプが使われています。
当然ながらローノイズロードリフト仕様になるのでTR入力です。それでもダイレクトカップリングが実現できているのは有り難いです。みていただければわかる通り、入力用のフィルムコンなどはボードにはないでしょう。
RはビシェイにCはSEに交換してあります。

以前、AKのチップを使ったADCも改造したことがありましたが、量子化ノイズに関しては当然このボードがダントツです。ただ、入力がダイレクトカップリング(ADCまでDC直結です)なのはいいですが、何故かトランジスタ入力アンプ臭い音になってしまい、その点だけちょっと気になりました。

しかしとてもよくできているボードで、へたに製作したものは、これには全然かなわないと思います。
お値段も、評価キットなのでリーズナブルだったように思います(2〜3万円)。

音質テストの方法ですが、音源を176K24ビットでデジタル記録し、それをDSDに変換します。DSDに変換したファイルをSONYのVAIOでDSD DISKに焼いてPS3で再生というわけです。音源がSACDならDSD DISKと比較すればADCの性能がだいたいわかります。

なお、最初からDSDで記録することはすすめられません。何故ならDSDは20K以上の周波数では有効ビット数が落ち量子化ノイズも増えてくるからです(それにTASCAMまで同軸でDSDを引っ張るのも大変です...できなくはないですが)。フォーマットをDSDのみに割り切るならDSDオンリー記録でもいいですが、リニアPCM176Kで記録したものをあとからDSDに変換する方がよいです。
唯一問題なのは、記録媒体の容量です。DSDは記録効率が良いですがLPCMだと1時間で4GBくらいになります。高速なDISK(SASアレイ)などを使わないと編集も重いです(SSDは書き込みが遅い)。



こちらはAK5385AVFオンボードM-Audio Audiophile192の改造版です。
オンボードのADCチップとPCIインターフェイス部分以外は使っておりません。
入力アンプは別箱ADCの電源は別供給。外付高精度基準電源(LT)使用。