CDの焼き直し


最近買ってきた古内東子のCD...ボーカルを楽しむCDで、バックの演奏はマルチモノ的な作りであることは否めないですが、AVEXのCDはエッジが鋭いものが多いので、そういう意味では面白いと思います。CDにエッセンスをうまく詰め込む技術はなかなかのものではないかと。




これはオリジナルのCD C1=1.1



TDK青タフ 900Eで焼き直したCD C1=0.4


CDのコピー自体に意味があるかどうかという議論は別として(あらかじめ読み出してストアしたデーターをDAに送ってやればよく、お皿をリアルタイムの読み取る必要などない)今回試してみたいのは、エッジの鋭いCDをコピーして、オリジナルと同等かそれ以上の音を再現できるかどうかです。もちろんコピー自体が目的ではなく、盤としてCDが良いのかCDRが良いのか、焼き直しには意味があるかどうかということを検討するためです。素人オーディオの環境のようにCDP内蔵のDACを使わざるを得ない(SACDが主体の環境であってデーターが取り出せない:現時点ではLPCMに変換して取り出す方法はなくはないですが)環境ではそれなりに意味があるかと思います。

あくまでこれは私の意見ですが、音質を損なわずにCDをコピーすることはなかなか難しいと思います。特に線速度の速いCD(1.4m/S)は線速度の遅いCDRでコピーするのは不利ですし、メディアにしても良いものを探すのは大変でしょう。現在でも販売が継続されている某ライターにしても、SONYやYAMAHAの古い機種にくらべて、精度は良いが音的にはよろしくないとする意見が大半を占めるようです。
もし、CDRに焼いたCDとオリジナルCDを聞き比べてまったく差がないとお思いでしたら、おそらくそれは、再生環境が不十分なのか、あるいは、非常に優秀なライターとメディアを使っているかのどちらかではないかと思います。以前、CDの音質の差は、安いCDプレイヤーではよくわかるが、高級機種になるとわからなくなるという内容を何かの本で読んだ記憶がありますが、おそらくそのようなことはないと思います。むしろ傾向としては逆ではないかと思えるくらいです。

さて、コピーテスト用のCDですが、オリジナルのCDはかなりうるさい感じではありますが、その代わりキーボードやシンセの音のニュアンスがいい感じが出てているように思います。しかし生音を使っている部分にしても音場が狭くピアノの音が不自然で全体的にコンプレッサーがかったように聞こえます。

それを焼き直してみると、ややエッジが甘くなったように聞こえますが(すでに同じとは言えないようです)、うるさい感じが綺麗に取れて広がりが出てきたように聞こえます。ピアノや声の質感も比較的自然で、オリジナルの96/24なりのデーターを普通に再生したらこうなんじゃないか!は言い過ぎでしょうが、焼き直しによって良い面が出てきたと言えなくはないです。

商品としては、恐らくはオリジナルCDの方が面白いと思いますし、残念ながら青タフ900Eではまったく同じように再現はできていないと思います。しかしながら、オリジナルのCDの音はメディアの癖で作られた可能性もあり、メディアの良し悪しは結局はどちらが元ソースの音に近いかで判断するしかなさそうではあります。

義理の弟がミュージシャンもどきでCDなど製作しているので、元データーを借りることができれば、焼いたCDRとCD屋で作ったプレスのCDのどちらが良いかわかるでしょう。CDは北海道の工場に頼んだとか言ってましたねそういうえば...プレスする工場なんかでもたぶん違うんでしょうね。

追記1:コピーはWAVで吸い出してCDを再構築している(ディスクイメージのコピーではないです)
追記2:900Eは誘電SPMPTなどの低エラーのメディアを使えばC=0.1を切ることもできます(ただしAC電源の質にかなり依存する)