iCLOCK


最近忙しくてブログの存在を忘れていましたが...見えないところでは自分だけの自己満プロジェクトを進めております...今回の素人オーディオネタは自己満プロジェクトと何ら関係のない MUTEC iCLOCK のレポートでございます。

というもの某エンジニアの方が本機を絶賛され某AOBDスタジオにも導入されていると念押しされてしまいましたので、それなら実力の程を確かめてみますかということになった訳でございます。デモ機を借りたくても1か月待ちだと云われてしまうようですが2週間くらいで借りることができました。借りてくださった販売店様のお力ということなんでしょう。

ですがテストする前から結果はわかっていたようなものでございます。山のようについているBNCの1組ごとに好きな周波数を割り当てしかも可変ピッチだなどという機能はDSPなしには実現しないでしょうしDSPを使えば当然のごとくジッターが山のように加算されるわけでございますから外部クロックにルビジウムを使ったところでたいした改善になるわけはないのでございます。

お借りして来た実機は当然最初にこのチェックを受けるわけでございますが、こちらで使っている超?低ジッターのクロック源(ルビジウムではないです)を10MHzのリファレンスに入力して整数倍ではない44.1Kなどを出力させてみましたが、予測の通りですが原発の200-500倍くらいのジッターが乗ってくることを確認しました。

素人オーディオとしてはこの時点でダメ出しをしたいところですが、そもそもこの商品自体が超低ジッターを売り物として開発されたものではないのでこのようなダメ出しの仕方も理にかなっていないと思うところでございます。

いきなりルビジウムを使ってしまいましたが内蔵クロックの精度はというと公称0.1ppmということですが概ねそのような範囲に収まっていたと思います。ジッターに関してルビジウムを使ったときのさらに5-10倍くらいなのでDSPの性能限界よりちょっと多いという感じではございますが悪くはなさそうです。

このジェネレーターはロジックにHCを多用しており、どこもかしこもHCだらけでさぞ立ち上がりは遅いのではないかと思われます。出力のバッファーについては特殊?とも言える方法でHCを強化しているようです。良くも悪くもこの回路の音がしているような気がしてなりません。

聞いた感じはやはりその傾向が出ているようではありますが、エンジニアの方がおっしゃるように、ルビジウムを使ったときにはそこそこルビジウムらしさが出ているようには思います。ただし超低ジッタではないので音像や質感が甘くなるのは仕方のないところです。それから何でもかんでもエコーがかかったように聞こえるのもマイナスポイントかと。しかしながら総じてCDPの内蔵クロックよりは良いので価値がないという訳でもなさそうです。なお、内蔵しているXO(OCXOではないようですね)の音はルビジウムよりずっともやっとしているのでルビジウムを使った方が良いようです。

某DCD様と比較すると...聴感上のルビジウムの効果は出やすい方でジッター自体は若干DCD様より少ないかもしれません。そういう音はしているように思います。

電源は内蔵ですが...見えているとは思いますがこんなもんなので...リダンダントはこれが2個はいってるだけなんでしょうよ(笑)たしかに電源用の端子が2個出てましたね(笑)ダイオード入れて並列運転ってとこでしょうか?
それから見る限りはオーディオ用のパーツは使われていないようですしリード線タイプの縦型電解コンデンサの嵐かもです。使用部品や基板の作りに関してはDCD様の方が洗練されていたように思います。

しかし...素人オーディオの私見ではございますが、ルビジウムを使う甲斐なさはDCD様とあまり変わらないような気も致します。
ルビジウムは周波数安定度が命です。周波数精度はあまり問題ではありません。ですので周波数安定度に見切りをつけているモノは別にルビジウムを使わなくてもいいわけです。オーディオマニアとして言わせていたければ、ハイエンドのマニアが使って満足できる代物ではないと思います。