ebayのFE5680A

最近は古くてやばそうなLPROを発掘するよりFEがいいだろうということなのか捜してみるとたくさんありますね。価格も40ドルを切る勢いです。

当然のことながら素人オーディオも2年前くらいにはこの廉価版FEをリサーチしており、恐らく今後は大量に出てくるであろうことは予測しておりました。値段が安いので何かあるだろうと思っていましたが廉価版FEではDDS基板(正弦波出力を得るためのDDS)が省略されており10MHZの安定性もDDS搭載版に比べればまったくと云っていいほど良くなかったと記憶しています(素人オーディオが実験した限りにおいては)。安定度としてはLPRO以下ではないかと思ったリもします。某有名なLPROディラーの方もそうおっしゃっておられたような気も致します。

そもそも素人オーディオは周波数を容易に変更できない10MHzのルビジウムにはあまり興味がないのも事実ですが、ルビジウムセルとVCXOだけを使うなら悪くはないかもしれません。つまりDDSは外付けしてやればいいことでヤフオクなどでこういった商品が出て来る可能性もあるでしょう。しかしながらダサイDDSを組んだところでDDS搭載版のFEと比べてたいした優位性は見いだせないと思うのでわざわざ組む価値もないと云うことになりかねないでしょうし、当然ですがVCXOの安定度が命なのでそこがもしダメなら外付けDDSを使ってもダメでしょう。従って廉価版の利用価値を見いだすことが難しくなってきます。ただしここで云う周波数安定度どは短期周波数安定度のことで、たとえばアラン分散のτを1secにした場合を云っています。数時間放置して周波数がどれだけ変化したみたいな評価方法はオーディオ的には必ずしも意味があるとは云えないと思います。短期周波数安定度と中長期の周波数安定度は必ずしも相関があるとは云えないからです。
いまいちどVCXOの周波数を調べてはみましたが残念ながらDDS搭載版との融通性はないようです。安定度(短期周波数安定度)を調べてみてもどうも良くないように思えるのは気のせいでしょうか?ルビジウムとは思えないくらい悪かったりしますが。壊れちゃってますかね?

廉価版のDDSなしFEをうまく使うことができれば良さそうですが、DDS搭載版が手に入らないならまだしも、手にはいるならわざわざ安定度の悪いものを使う理由はなさそうに思います。残念ながら安かろう悪かろうは否めないということで...(高分解能のDDSを搭載するのではなく別の方法で周波数を極めて正確に調整できるらしいですが任意の周波数を出力できるわけはないようです)

確認のため適当にいじくり倒してみたけれど(短期周波数安定度が悪いのには)がっかりです。何台か買ってあったので暇なときにまた調べてみることに致します。1台壊したくらいじゃ本当のこと(この個体が悪いのか全体が悪いのかは)わからないです。


後書きとして付け加えますが、内部のVCXOあるいはVCXOとロックさせるルビジウムを分周した信号を引いてくることもできるとは思いますが、周波数が高ければ歪みだらけの信号であることに間違いないので、シグナルコンディショニングが必要でしょう(DDSの原発にあまりにも歪みの多い信号を使うとスプリアスが出ます)。基板でも起こしてやらないと面倒で仕方ないですね。使えるOP-AMPもごく限られていますしSOPパッケージではダメ(同じチップでもピン間が狭くピン配置が工夫されたLFCSPパッケージの方が性能が良いそうです)かもしれません。