電源と位相雑音

簡易測定が結構おもしろいので実験用安定化電源数種類を試してみましたが、確かにチャートで見て取れるくらいのレベルでは位相雑音に差が出るようです。

ですが予測していたことではありますが、スイッチング電源と性能の良いトランス式電源との比較において、位相雑音に大きな差はないということでした。むしろオフセット周波数100-200Hz付近に関してはトランス式電源よりスイッチング電源の方が位相雑音が少ないという傾向も見えてきています。ただし10KHz以上ではスイッチング電源で若干(2-3db程度)ノイズフロアが上がる傾向があります。しかしながら-140db以下の世界ですから果たして2dbや3dbの差に意味があるかどうかも微妙でしょう。

これらの電源でクロックジェネレーターを動作させてDR-1で試聴してみましたが聴感に関しても大きな差はありません。トランス式電源の方が若干すっきりした感じになるかなぁといったところで、ブラインドで聞き分けることができるくらいの差ではないと思います。システムとの相性によっては簡単に逆転されるレベルとも云えましょう。どちからかと云えばスイッチング電源が良いと聞こえる場合もありえるということです。

改めてスイッチング電源のコストパフォーマンスの高さに驚かされました。2000円とか3000円でこの音なら決して悪くないと思います。

トランス式のドロッパ電源を製作するならばスイッチングと明らかな差がなければあまり意味がないと云えますが相当なコストをかけてちゃんと作らないと厳しいのではないかと思えます。