CDなのかSACDなのか

世の中にはいろいろな感性を持った人がいらっしゃるので、何らかの評価を与えるための物差しは画一的ではないのでしょう。とくにオーディオは嗜好品と同じなので、その人それぞれに好みがあるでしょうし、良い悪いということではないのかもしれません。

最初に答えを出してしまっておりますが、最近、CDとSACDのどちらが良いかの議論をしてみて、あらためてそれを感じた次第でございます。

話題になったのはダイアンクラールとかフォープレイとか現代ジャズフュージョン系の割と鮮度で聞くようなソースだったのですが、CDとSAで大差ないという意見と明らかにSAが良いとする意見にわかれました。

もちろん素人オーディオは後者の方につくことになりますし、考え方としてマスターテープに近い方を有利とするものでございます。もちろんDSDが嫌いな方もおられるので、その方からすれば44.1KHz 16bitの方がマスターの音に近い、あるいは、音楽的に優れているという場合もあると思います。DSDの音は細いのでダメだということを云う方もいらっしゃいますし、あるいは太い音のするLHH1000などのビンデージもので聞くのがベストという意見もございましょう。

デジタルの理論で云えば情報量が多いのはおそらくDSDの方です。スタジオでも96/24を44.1に落とすといきなりクオリティが落ちるのは仕方がないという考え方をするでしょう。サンプリングレートやビット深度を変更できるソフトを持っていればCDのフォーマットがいかに窮屈か理解するのは容易ではないかと思うわけです。

で元にもどりますがそれでもCDとSAの差があまりない、あるいは、SAが良いと喜んでるのは気が知れないということを云う人がいるのはどうしてなんでしょうか??答えは物差しが違うからということにつきますが、あの鮮度の良い録音のダイアンクラールにしてもCDで十分というお方は300万の装置などたかが知れていると豪語されていたようです。そのお方曰わく生演奏とオーディオは違うものだということでしたので、あるいは適度な脚色をもって芸術的に聞かせることをよしとする向きなのかもしれません。

SAが良いだろうとす側から云わせてもらえば、CDで満足なら幸せではないかと...わざわざ苦労して鮮度のよいハイビットのソースを探してこなくてよいのですから。クラシックにせよ何にせよそこいらへんのお皿はたいていCDなら出てますからね...という訳で情報量の少ないソースで満足できる耳ならはそれで幸せではないかということです。

生演奏をリアルに追求し、あるいは、マスターテープを忠実に再生することをよしとするのか、そうではなく、オーディオとしての芸術性を追求し、あるいは、マスターテープと忠実に再生したところでまったくおもしろくはない、結局は生演奏とは同じにはならないから脚色してこそオーディオというのもありでしょう。後者の考えを尊重するなら現代のSACDプレーヤーは不向きでいにしえのLHH1000やスチューダーEMTなどが向いているということになるでしょうねえ。

まあ、ただ、そういうビンデージものでダイアンクラールを聞いてどうなのかっていう疑問はありますね。その時代の装置にはその時代のお皿がマッチするでしょうに。もっともビンテージとは言えない機種でも芸術性をもったものがあるでしょうけれど。

ということでSAなんかダメでCDで十分という方のご意見がありましたら是非お寄せいただきたいです。率直にご意見を聞いてみたいです。できればCDのフォーマットにどんなメリットがあるかということを力説してほしいです。あるいは芸術的な再生音を得るためにはCDでないとダメだという議論でもよいです。