クロックジェネレーターの試聴

44.1KHzのワードクロックを切り替えて試聴してみました。
DR1の場合には電源をON/OFFしないとクロックが切り替わらないので、装置に負担をかけるあまりやりたくない作業なのですが、そうしないと試聴が出来ないので仕方なくというところです。しょうもないと思ったらそれ以上やりたくないという気分になるのは当然ですね。

1. ESOTERIC G03X 内部 OCXO
まずは内蔵OCXOの性能やジッター特性がとてもよかったエソですが、DR1の内蔵クロックと比べると奥行きがでなくなってしまいます。やや暗く伸びきらない感じで質感もあまりよろしくないようです。以前、某老舗のTで試聴させてもらったときの印象と似ています。ケーブルは1.5Mの75Ωですが長すぎるのかもしれません。

2. ANTELOPE OCX 内部 OCXO
おおざっぱというか丸味を帯びているというか全体的に解像度を下げて聴きやすくしすぎですが、奥行きは出していますしデジタル特有の無音のキャンバスという感じも良く出ています。ですがDR1の内蔵クロックと比較して質感は劣るようです。ケーブルは同じものを使っています。

3. ANTELOPE OCX + RUBIDIUM 10MHz
内蔵OCXOよりは解像度の点で若干よくなりピアノの低いキーを叩いたときの低音の出方がさらにリアルになったように感じます。しかしながら全体的にゆったりとした丸い感じがしてルビジウムによって明らかにシャープになったとは云えないでしょう。

4. 試作分周回路 + RUBIDIUM 11.2869MHz
線が細く情報量は多いと思いますが少しざらざらした感じがします。解像度にに関してはもっともよいと云うべきでしょうか?音が空間に飛び出してくるような感じに聞こえます。音場を重視する方には受けがよいと思いますが質感に関してはDR1にはかないません。アンテロープの解像度を上げたらこんな感じになるのでしょうか?ケーブルは1.5mより長くて1.5Dの細いものです。

結果的に素人オーディオ試作回路がいいんだみたいなイヤミな結果になってしまいましたが、もし本当にエソやアンテロープがいいと思ったなら1台購入して徹底して調べてみるでしょう。どちらもン十万円を出して購入させていただくような気分にはなれませんでしたが、アンテロープには学ぶべきところがありましたし、解像度を強調したこれでもかみたいな音が嫌いな方にはお勧めできると思います。

ということですがジッターとか周波数精度がステレオ的な再現力とか質感の再現力みたいなものと相関しているかといえば?実はそうでもないんじゃないかなという気がしてきました。あくまでも個人的な印象でしかありませんけれど。

最後にエソをもう一度聞いてみました。十分時間が経ってウオームアップされてくればまた違うのかと...でも印象は変わりませんでした。DR1の内蔵クロックに比べると平面的で抑圧された感じになりしかも暗いです。特性は良いはずなのにどうしてこうなるのか不思議でなりません(あくまで個人的な印象であって、決してそうではないと思われる方も当然いらっしゃるはずです。その点は誤解のないようにお願い致します。)。