ESOTERIC G03X


エソテリックらしい高級感がありますね。でも、それに騙されてはいけないのかも...

シリーズの2台目はエソテリックのG03Xでこちらもお借りしたものです。ふたを外した形跡があるので開けさせていただきました(アンテロープも当然開けたあとはありましたよ)。


例によってアクティブプローブで測定してみたところ、出力波形は若干はノイズっぽいようです。50Ωで負荷すると立ち上がりがなまるだけでなく全体的に波形が崩れてしまうようです(キザキザ)。立ち上がり波形の崩れは明らかに減点対象ですかね。

まずは内蔵のOCXOですが、噂通り出来具合が良いらしく周波数確度は±0.1ppm以下に収まっているようです。ジッタレベルもルビジウムの5倍くらいですからOCXOとしては優秀であると云うべきでしょう。アジレントのカウンターのHS OVENよりはちょっと落ちる程度ですからからすごいですよ。あるいは計測器の域に到達していると云えましょう。

しかしながらGPSの10MHzを使った場合、カウンターが計測したジッターの値は、驚くなかれ、ルビジウムを分周して作ったクロックの15倍から20倍という結果でした。外部基準の受けをAHCU04でやっているようですが、おそらくこの回路がジッタを増加させている原因である可能性が高いと思われます。入力レベルは規格の範囲内である630mV RMSでしたから信号レベルに問題があるわけではないです。なお、周波数の平均値については概ね問題ないようです。ジッターは多いですが。

ルビジウムGPSを使うより内蔵のOCXOを使った方が良いというのはいただけないかもしれません。波形の崩れ具合にしても何とかならないのかと思う次第でございます。このようなことから本機の真の実力は測定し得ないというのが現状かと。外部基準でまともに動くようにすることが先決でしょう。OCXOでこれだけ性能が出ているのですから外部基準を使って悪くなるわけはなさそうです。

ちなみにGPSのリファレンスが過去数時間どうだったかは以下をごらんくださいませ。


GPSの10MHzがオンボードのAHC1GU04でTTL変換されたあとの波形です。アクティブプローブで拾っていますが、波形はかなりなまっています。TTL変換回路がジッターを注入している元凶ではないかと...素人オーディオ的にはそう思います。

実験回路でTTL変換した波形(33250Aで出力した11.2896MHzを使用)
もうちょっと立ち上がりが速いといいのですが汎用品では数nSが限度のようです。