WORD CLOCKのテスト

ちなみにCDPの置き台は5cm厚のトラバーチン(巣のある大理石)で振動の損失が大きい?らしいです


分周回路をIC基板に組んで動作を確認しDR1に44.1KHzのWORD CLOCK端子に接続してみました。問題があれば 「WORD CLK ERR」と表示されますが1発で外部クロックに切り替わったようです。

分周回路用の電源5Vはアナログ電源ですがルビジウムの15Vは作るのが大変なのでとりあえずスイッチング電源です。スイッチング電源と同じタップから電源を取るとノイズが回り込んでくるのは仕方ないですが...オシロで見ると出力にそれっぽいノイズが乗っているのが確認できました。しかしながらオーディオ系には影響がないようにWORD CLOCKにはオーディオ系とまったく別系統の電源を使っていますしノイズが回り込んできたとしてもNZLで大部分カットされるはずです。

試聴は9100ES(サブシステム)にiLinkで接続していますのでDR1はトランスポートとして使っているのみです。SONYのデジタルアンプはラインレベルでのD/Aコンバーターは使わない完全デジタル方式でWORDクロックの影響はCDPからアナログで送出するよりはずっと大きいと予測しています。

DR1はCDのデーターをDSD変換してから再生するので64fsのDSDクロックもWORDクロックを使って内部のPLLで生成している可能性があります。SACDを再生時したときにWORD CLOCKによる明らかな差があれば証明できるでしょうか?WORDクロックがCD再生時にしか使われないのであれば意味は半減してしまうので今回の実験で確認したいと思います。



SACDシングルレイヤー盤


試聴結果
最初はCDで試聴しましたが、外部クロックに切り替えると近くで聞いているように音が鮮明になり内蔵クロックではモノラル的に中心に寄っていたのに比べて広がり感が出てくるようでした。鮮度が良くなったように聞こえるのでDレンジの狭いCDでも悪くはないという気にさせます。しなしながら散漫で凝集感に欠けるというか...DR1独特の音場感や全体を綺麗にまとめた感じが消えてしまっているというか...広がった感じにはなるけれどその代わり散漫で奥行きがないというのがいまのところの外部クロックの評価です。
その後オーディオショップのディラーの方とお話しましたが大方のところで意見は一致していたと思います。しかしながらSACDプレイヤーにしてもアキュフェーズやEMMラボの2fs(64fsx2, 5.6448MHz)方式を良しとする場合、あるいはそのようなプレイヤーは分解が高く広がり感があるが線が細く奥行きがないとして1fs(64fsx1, 2.8665MHz)方式を好む場合とがあるのと同様、マスタークロックの差し替えによる変化を歓迎する場合と良い面は認めるが手放しで歓迎できない場合とがあると思っています。

64fsクロック
問題はSACDの64fsクロックはどうなのかとういうことですが、試聴の結果CDと同じ傾向になるのでおそらくはPLLでWORD CLCOKから作り出しているのではないかと思います。鮮度の向上についてはCDより顕著で、たとえば南国音楽のように鮮度がイマイチと感じたソースでも分解が良くなったように聞こえます。しかしながら音場の出し方はCDと同じで手放しで良いということではないようでした。

雑感
今回の試聴は9100ESで行っているのですがDR1以降をアナログで再生した場合には評価が異なる可能性もあります。クロックが良くなるとシステムのぼろが出ることも考えられますしそのへんの見極めも必要かと。
現在はレイアウトの関係でアナログ系はお休みしているのですが(AVアンプ 5300 / 9100 が陣取っているため)5300をはやいところど撤去してアナログ系を復活させないといけません...AVアンプの配線をつけかえるのは相当面倒なので放置されているのです...しかも9100ESは異様に高さがあるのでラックの高さまでいじらないといけないし...本来のメインシステムはLH0032電池プリ+パワーアンプなのですが...最終的な再生音としてはメインシステムの方が良いでしょうね。

実験としてはルビジウムが入手できればやってみる価値はあるかと思います。かかった費用はSACDを10枚か15枚くらい買うのと同じくらいです。製品と同じような使い勝手を期待するのは無理でしょうが簡単に自作できるのでお勧めできるとは思います。キーパーツはラインドライバだと思いますがRSなどで安く仕入れることができるでしょう。

RSから届いた部品の封をあけるところ。ミニマムオーダーは5個です。


もうひとつですが今回の基板とて試作品なので次回は44.1K/88.2K/176.4Kの3系統を出力できるようにしてケースに入れたいと思っています。理想を云えば内層にベタグランドを入れるような多層基板かもしれませんが機会があればチャレンジしたいですね。当面は銅箔テープでベタグランドを代用するみたいなことになりそうですが(ちなみに基板を作って頒布などは恐れ多いので考えていません)。

追記1:
サンハヤトにメッシュアース基板なるものがあるのを発見。サイズが小さいがなんとか回路が収まりそうなので組み直す予定。たぶんメッシュアースを部品面にして使うんでしょうね。じゃないと半田面は全部アースにコンタクトして配線できないっすからね。



追記2:
CD Playerの音質に関する参考リンク
クロックのジッタに関してはちょっとしか書いていませんが...
http://www.ne.jp/asahi/shiga/home/MyRoom/Audio.htm#Player

厳密にブラインドテストをして正答率が高い場合はちゃんと聞き分けているとして良いでしょう。DR1の場合には電源を切って再投入する必要がありますから何度も何度もテストをする気にはなりませんが...逆にWORD CLCOKのジッタをめちゃくちゃ増やしたら音が悪くなるかどうかという実験の方がおもしろいような気もしますね(笑)。

音響工学の実験では主催者側が勝手に用意した聞き慣れないシステムで聞き慣れない音楽などをかけてブラインドテストされるようですけれど...聞き慣れたシステム聞き慣れたいくつかの音源などを使ってテストすれば正答率は異なる結果になる可能性はあると思います。