スリラー SACD


スリラーのSACDシングルレイヤー盤です。USから輸入したので安いですがケースが割れてます(わざと割れてるのをよこす風)。
なぜSACDなのかと云うとシングルレイヤーの古いSACDはCDのカットオフ周波数である22KHz以上が含まれている可能性が高いから価値があるのです。おそらくマスタリングがSACDのためだけに行われているからでしょう。
それに対して最近のハイブリッドDISKは22KHz以上がカットされいることが多いのが意味不明です。どうせわかんねえからいいだろみたいなユーザーを馬鹿にした編集をするからSACDが売れなくなるんでしょうな。あるいはまじめに22KHz以上を通すと品位が上がるのでわざと落としてるとか...思惑はいろいろあるでしょうけれど。

ということでスペクトル(FFT)を取ったものが以下の図ですが、4曲目スリラーの冒頭部分には22KHz以上が含まれている信号を観測できています。こうしてみるとスリラーは30KHzくらいまでだら下がりで信号が含まれていてDSDのノイズフロアとクロスするかたちになっていますね。

ということでSACD盤のスリラーはCDよりちょっとだけマスターに近いと云うことができるでしょう。本当はこういう音だったのか...が味わえる?といいましょうか。元の信号があまりクリアじゃないみたいなので雰囲気がちょっと違う程度でしょうけれどね。

それからこれは番外ですがPS3 60GB/20GBを使えばSACDを44.1Kの非暗号化信号に丸めて(間引いて)くれるので場合によってはオリジナルのCDよりクオリティの高いCDを作ることができます(CDは結構ひどいのもありますからね)。もちろんCDの出来具合がとてもよい場合にはあてはまらないとは思いますが...シングルレイヤーのSACDはCDが出ていないソースもありますから車の中で聞くCDがほしい場合にも有効です。



ちなみにこれはTASCAMのデジタルレコーダーでいったんアナログに戻したSACDの信号を192K/24bitでA/D変換して記録したものです。DSDの信号を間引いて88.2K/24bitなどに落とすデシメーションフィルタなどがあればおそらくダイレクトにデジタル信号を記録できるでしょうけれど...いまのところは製作しておりませんので現状の通りです。