OP-AMPの測定用信号(仕方なく8082Aです)

高速なOP-AMPの性能を評価するための信号はライズが1nSくらいは欲しいところです。1nSは50万円超クラスのDDS FGでも結構厳しいレベルですが(33622のライズは2.7nSです)昔オークションで安く買ったほぼ手動式のパルスジェネレーター8082Aならなんとか作れるかもしれません(内部はECL)。昔は半導体メーカーでOP-AMPの評価に使われていたようですしLTの規格表には8082Aとか書いてあったのを見た記憶があります。

8082Aはマジ完全手作業設定なのでめんどいですがオシロで見ながら調整すれば綺麗な波形を作ることはできます。そんじゃそこらの安物では出せない綺麗な波形だったりはするみたいです。

10KH,1Vppでコンデンサで切っていない0Vを中心とした矩形波です。


500pS/divですから若干1nを切るくらいなのが見てとれます。10-90%でS/Rを計算すると750Vくらいになります。
ちなみにオシロは2GHzと6GHzの両方を持っています。6GHzを使う必要のないときは2GHzを使っています。どちらも40Gs/Sです。

試聴結果を書く前にはちゃんと規格通りの性能が出ているのかチェックする必要がありそうですね。ただ買ってきてただけでは模造品かはたまたロットアウト品かわからないなんて困ったものです。前回のAUも重く暗くつまらない音だったのでおっかしいな?これがモノホンの627?と思ったのが測定を行ったきっかけだったわけですが。

OPA627AUの真贋判定

AK4495/DACで遊ぶ課程で複数のOP-AMPを交換して試すうちにOPA627のSOPパッケージとDIPパッケージの特性差が大きいことが判明しました。
SOP ---> 小信号SR 7V/μS
DIP ---> 小信号SR 55V/μS
測定条件 G=+2, Vout=2Vpp, RL=1KΩ





真贋はSRだけでは判定できないので他の証拠が必要でしたが判定を手がけておられる方からの情報で内蔵されているチップ上のある部品で判定できるということでした。
外部から測定してみるとAPとAUでは1桁半程度値が異なっていたので両者は別物であると断言できそうです。またSRの値とこれらの値からモノホンと判定できるのはAPの方であるということです。

ニセモノ(模造品)と言えば医薬品でも多数見つかっており最近ではきわめて薬価の高いHCV治療薬RANポリメレースインヒビター「ハーボニー」でも日本国内で流通していた医薬品の中から模造品が見つかっているそうです。成分については分析中とのことですが場合によっては純度の高い成分が規定量含まれている可能性もあり得るでしょう。半導体の場合にも流通量が比較的多く高価なものたとえば今回のOPA627(AU)などにも模造品は存在しているということでしょうか。医薬品はまったく効かなかったらすぐバレるので有効成分が含まれている可能性もあるでしょうし過去有名なザンタック(H2ブロッカー消化性潰瘍の治療薬)の模造品が発見されたことがあるようですが驚くほど純度の高い有効成分が含まれていたそうです。なので模造薬ではあるけれど効かないわけではないということになってしまいます(医薬品としての製品規格を満たしていたかどうかはさだかではない)。
半導体の模造品はほぼ確実にモノホンより性能が落ちる粗悪品とは思われますが性能は悪くても音は出るしオーディオの場合は評価には聴感という各個人で異なる尺度を使っているので測定しなければどうせバレないということになりましょうか?たとえば金田式に使うTO-3やTO-66のトランジスタは古い物で真似をするのが難しかったためニセモノと簡単に判別できるパロディとも言えるレベルの模造品が多かったようですが今回のAUはエンボスで提供されておりマーキングもそれらしくされていましたので確かに見ただけで模造品であると即座に指摘できなかったです。そもそもAUなど買って使ったことなどかなかったですしね。

いずれの場合(医薬品および半導体)も正規ルートで購入していなかったもの(AUはオークションで買ったもの)ということでは共通しています。有名どころの半導体流通業者は大丈夫でしょうけれどそうでない入手先の場合気をつけた方がいいのかもしれません。
ただし模造品が流通していること指摘しつつ本物であることをきちんと謳った売り方をしていれば問題なさそうです。
ご協力に感謝致します。

ちなみにですが話を聞いたところによるとハーボニーの中身はネーイチャーメイドだったそうです。しかも複数の種類が混ざっていたとかでバレないように工夫するなどどいうレベルではなかったそうです。組織的に模造品を製造してバラまいているとかいうお話ではまったくなさそうです。なお、ネイチャーメイド製造元のO社さんはコメントを発表して関与を否定しているそうですが(そりゃ医薬品メーカーでもあるO社さんがそんなことをするハズはないです)。
製造元ではブリスターパッケージへの変更を検討しているということでした。そもそも1錠何万円もする(製造原価は高くても数百円でしょうけれど)錠剤を単にボトル詰めて売るみないなことだったわけで確かにそれでいいと言えば良いんでしょうけれど(たとえば数錠余分にはいっているみたいなことはしているかもしれないですしね。1錠の重さが軽い場合はなおさら重量では検知しづらくなるのでアンダーにならないようにしなくてはならない。)模造品の流通を意識していなかったことが配慮に欠けるということになりましょうか。
悪くはないですけれど生産効率を重視してボトルしか作らないという方針だったとも取れなくはありませんね。もちろん海外ではそれが一般的でむしろブリスターにすると取り出しにくいとかそのまま飲んじゃう輩が出てくるとかの問題があるようです。

中華DACで遊んでみました

1年以上ブログはいじっていませんでしたが久々にオーディオで遊んでみましたので書かせていただきます。

お題はありがちなDACなのですがお金をかければ高価なものを買えば良いとは限らないということでは面白いとは思います。

先日200万円もする一体型(AK4997)やセットで300万もするセパレート型(AK4490)を比較試聴する機会がありました。確かにどちらも質感的には一流(後者の方が良かったので値段には比例していました)でしたがそこまで出費しなくても...とお考えになるのは私だけではないと思います。ですのでこれらに対抗すべくAKを積んだ激安の中華DAC(AK4495)を買ってきて遊んでみることにしました。

適当に注文してみましたが届くまで3週近くかかったしXMOSのドライバーは満足に提供されないしいい加減なのはさすが中華ということろです。これまたデフォルトの質感たるやなんだこりゃのレベルです。あ〜やっぱりだめかと思ったのですがゴミにしてしまってもったいないし良くする方法(大改造は時間を喰うから駄目)はないかということでまずはOP-AMPの交換とあいなりました。交換できるのは終段のOP-AMPだけですがおそらく差動シングル変換でしょうからユニティゲインで安定なら使えるでしょう。

結果としては...たぶんUSBで動かすDAC100よりはいいかなというレベルになった(OP-AMP交換だけで)と思います。使い方によっては充分楽しめる感じでした。

フィルター設定はSuper Slow(ただしこの設定にすると折り返しノイズが大量に出るようになります)ではパルシブな音のつぶれ感が軽減され(うるさいといえばうるさいですけれど)低音はどっしりとしていて量感もあります。どちらかと言えばドンシャリ系ではありますが全体として鮮度が高くわりとナチュラル感も高いです。欠点としては透明感がいまいちなところと音数があまり多くないところでしょうか。電源が安っぽいので高級なセパレート機には及ばないのは致し方ないところでしょう。もちろんクロックは外部から注入することはできませんがAK4495はこんな適当に作られたものでもそこそこのパフォーマンスを発揮してしまうという点では驚きです。CS4398よりはたぶんいいでしょうね。

適当に試していたつもりでしたがこのDACは電源の質に敏感で普通の電灯線で聴くとOP-AMPがLME49990であってもダメダメな音になってしまいます。低音の量感がなくなり高音が汚くなりとても同じDACとは思えないです。ほぼmy柱上に近い3φ(この辺では誰も使っていないです)を使うと生き生きとした感じに戻ります。再生の送り出しもポータブルプレイヤー以外ではよろしくないようです。
暇があったらAK4495のシンプルなDACの基板でも作ってみたいです。OP-AMPはTH4631あたりがいいでしょうねきっと。LH0032だと大きくなり過ぎて現実的ではなさそうですし。


見るからにダサイ基板(パターンの引き回しも結構イモですよね)
USBはいまのところMACでしか動かせないのでCOAXになりますがメモリープレイヤーでCOAXで送れるものがあったのでそれで聞けています。Li電池を内臓して外部電源を必要としないメモリープレイヤーの質感はなかなか良いです。USBで送ればDSDネイティブ再生はできるかもしれませんがどうしてもPCを使わなくてはならないですし(ノートPCならLi電池ですが)AUDIO GATE以外では設定なども結構めんどいです(AUDIO GATEはDAC10とか100でないとDSDネイティブはできない)。結局は単純な動作をしている専用のハードは質感もユーティリティが良いということのようです(DSDはマルチビットに変換して出してくれます)。

話をもどしますがデフォルトで取り付けられているのはNJM5534DDでした。このOP-AMPの音はどうもいただけないです...伸びきらないし埃っぽいし申し訳ないですが何の面白みもない感じがします。速攻で交換したくなるOP-AMPです。ちなみに少ないながら試した中でなかなか良いと感じたのはLME49990でした。世評の通り素晴らしいOP-AMPではないでしょうか(上記の感想はLM49990のものです)。ただまあずっと聴いていると飽きるという感じはありますけれどね。高オープンループゲインのバイポーラーOP-AMPは大抵そうです。
こちらで在庫していたのは以下の通りでAD811を除いてはいずれもSOP8なので変換ソケットを作らないといけませんが秋月で売っている変換ソケットとピンもあったのでなんとか作業はできました。

LME49990(オーディオ用超低ノイズ超低歪)
THS4631(FET入力高速)
OPA627AU(OPA27の初段をFETにしたもの)
AD811ANZ(電流帰還高速 DIP8)


もちろんLH0032CGは沢山ありますが今回は試していません。最大の位相補償が必要で思ったほど特性が出ないためです。残留ノイズが100Ω抵抗の熱雑音と等しいというLT1028もどっかにあったかもしれませんが試していません。

以下テスト順に記載
LME49990
発振などのトラブルもなく問題ありませんでした。192Kサンプルで10KHzおよび20KHzの単音を再生してみてもおかしなひずみや発振は観測されませんでした。もちろんオーディオの帯域外もちゃんと見ています。消費電流は8-9mAですが電源が±15かかっているので発熱が結構ありチップは表面は60℃近い温度になります。SOP-8の熱抵抗は両面基板に取り付けた場合165℃/Wなので(新日本無線の資料, TIの資料では145℃/W)9mA/30Vでは270mWになりジャンクション温度は周囲の温度+45℃くらいになるのは明らかです。ケース表面温度とジャンクション温度の熱抵抗は26℃/Wとなっているので実際にはジャンクション温度より7℃くらい低くなります。周囲温度25℃だとジャンクション温度は70℃なので63℃が表面温度になりだいたい計算通りでしょう(測定は赤外線温度計, 熱抵抗は165℃/Wより若干小さいのかもしれません)。そもそも発熱するのは電圧を30Vもかけているためで発熱したら即発振しているとは言えないとは思われますしオーディオ用の両面基板に取り付けて熱的になんとかギリギリ使えるようなっていると思われます。
なお、最近TIのサイトからデーターシートが削除されたようで、まさに幻のOP-AMPという様相を呈していますが特性はピカイチで他を寄せ付けない性能と言えると思います。1個1000円以上するAD797を超える性能でもちろん自社品をも脅かす性能であって製造が中止されたのではないかと。こんなものを安く売っていたのではやってられないということでしょう。NSの技術者が英知を結集したまさに傑作でディスコンにする理由は採算性以外に見当たりませんが。

LME49990 ±15V 2Vpp 入力50Ω RF/RG/RL 1KΩ 10KHz矩形波 立ち上がり時間72nS 波形も綺麗でオーディオアンプの割に高速です。なかなか良くできていますね。2Vpp換算で27.8V/microS程度とれているので小振幅でのSRが優れているという特徴があるようです(大振幅になるとSRは若干低下するようです 20Vppでの規格値 22V)。

THS4631
30MHzくらいで数百mVpp程度の発振が観測されたため使用せず。金田アンプのようにみかけ上の第一ポールが20KHzくらいにあってオープンループゲインが80dbなどどいう20年くらい前のモノリシックではあり得なかった素晴らしいOP-AMPですね。機会があれまた試してみたいです。オーディオAMPとしては理想的な特性をもっているのでLME49990より質感が高い可能性が高そうです。EVA BOARDは2枚もっているのでとりあえずラインアンプで試すことはできます。


波形はエバボードのデフォルトである2倍の非反転のときのものです。CF=0pFなのでオーバーシュートが出ています。
立ち上がりはめっちゃ速く3nS程度です。もちろんLH0032よりずっと速いです(±5V, input 1Vpp, 負荷は100Ωではなく1KΩ)2Vpp換算で667V/microS。

OPA627AU
LME49990と同様トラブルはなし。消費電流が6-7mAで発熱はLME49990よりは少ない。OPA627AUの熱抵抗は108℃/WでLME49990よりはTIの資料の上でも小さいので意外に発熱は少ないようです。それでメッチャ熱かったら過負荷か発振かどちらかでしょうね。OPA627の値段が高いのは独自のプロセス(DIFET)を使っているためだと思われます。初段のFETだけでチップ面積の大半を喰っているらしいです。

LME49990と同じ条件で測定した波形ですが立ち上がりは300nSとかなり遅いです。FET入力なのにバイポーラに負けているとは。2Vpp換算で6.7V/microS。
でも良く考えてみると遅すぎるのでニセモノだという疑いも?エンボス包装SOPのニセモノなど手が込んでいるものが存在するのか...真贋については追跡調査させていただきます。ただデーターシートを見る限りでは大振幅のときに測定したスルーレートが40-55Vとなっているのでたとえば12Vppで測定して立ち上がりがこのままだったら40Vになるのでありはありかもしれませんし波形の写真は500nS/divとかだったしあながち偽物でもなさそうな気もします。

真贋調査結果 OPA627AP ↓↓

OPA627APで再測定したところ27nSとそこそこ速かったです。SRは55Vを超えています。さすがに10倍の差があればニセモノを疑いたくなりますが...高価な半導体とか医薬品にはニセモノが出回っているようですからね。AUバイアグラほど簡単には作れないしょうけれどレーサーの刻印が実はインクだっだりして?
なおAUの最大SRは40V程度でした。AUはオークションで買ったものですがAPは正規代理店で買ったものです。

AD811ANZ
大振幅で発振し発熱もすごかったため即中止。消費電流が16-17mAもあるので±15V(30V)で連続駆動するなどは無理がありそうです。PDが500mWを超えるためSOP8のパッケージはありません。ADの資料ではDIP8の熱抵抗は90℃/Wらしいので計算上はLME49990と同じくらいの温度になるはずですが実際はどうなんでしょうか?それにしても電流食い過ぎなのでJバージョンなど変なカテゴリ(24Vで使いなさい)もあるようです。

波形はAD811のパルス応答(素人オーディオ作成テストボード)負荷1KΩ(負荷を100Ωにするともう少し立ち上がりが遅くなる)
電流帰還アンプではありますが立ち上がりは10nS程度でTH4631の3倍以上遅いです。DIP IC用に適当に組んだボードですが発振などはありません。
RFとRGは他のアンプでも試せるように1kΩにしています。なので若干立ち上がりが遅く出ているかもしれませんが(THSは500Ω)その他のテスト条件はTHS4631と同じです。若干なまっていますがオーバーやアンダーはなく綺麗です。AD811はRF 1KΩで使うといいのかも。2Vpp換算で200V/microS。


おまけでTHS4631とAD811を比較してみましたが立ち上がりはTHSが圧倒的に速くAD811の出力波形はTHSに比べるばなまっていることがわかります。THSはFETなのでノイズはADの方が少ないでしょうけれどADのバイアス電流は桁違いに多いのでDCオフセットが乗っかる可能正もありそうです。
ちなみにですがAD811用のテストボードにDIP化したTHS4631を乗せてテストするとソケットの容量や配線長の関係で波形は乱れますが立ち上がりはやはり3nSです。ボードのせいでAD811の立ち上がりがめちゃめちゃ遅いということではありません。

テスト条件: 電源電圧±5V, 非反転2倍, 入力50Ω 1MHz矩形波 1Vpp, RF/RG/RL 1KΩ(AD811ボードは1050Ω)入出力端子 SMA, FG 33622A


比較できたのはLME49990とOPA627AUですが素人オーディオ的にはOPA627(AU)はよろしくないという感じでした。
元々OPA627にはあまり良い印象はもっていませんでしたが若干暗く見通しが悪い感じがします。高いお金を出して買う必要もなさそうです。(以上はAUつまりSOP8に関する感想です)
マークレビンソンのプリだってあんまり良くなかったですしね(採用当時としては最高性能のOP-AMPだったのでしょうけれど)。ちなみにこのAUは某有名なネットワークプレイヤーの中級機(80万円くらい)にも使われていますが同様に暗い感じの音でどうも好きになれなかったです(あくまで個人の印象です)。

OPA627AUは確かに立ち上がりも遅く鈍い音でしたが追試したAPは別物という感じでAPはさほど悪くはなかったです。淡々としていてやはり若干暗い音ですがディスクリートに近い抜けのよさや空気感はあるようです。ですが中音域の緻密さや全体的な鮮度感はLME49990が上ではないでしょうか。
しかしパッケージの違うSOP-8(AU)は良くなかったですね。AU実はDIFETじゃなかったりして?実は某100万超えの1世代古いCDPにも627は使われているのですが使っているのはAPつまりDIP8なんですよね。わざわざ面積を喰うDIP8を使っているわけですから何か理由があるのかもしれません。某ネットワークプレイヤーに使われているのは間違いなくAUでだからあんまりなのかと...


ところでネットの記事では電流帰還を含めた高速OP-AMPが良いと書かれていることが多いようですが、素人オーディオとしてもうまく動作させられれば良いというのはわかりますがまずは発振など不安定な動作をしないことが重要であって安易に高速OP-AMPが良いというもいかがなものかと思ってしまいます。適当に組んだテストボードではAD811は発振していませんでしたがDACに組み込むと大発振でやけそうなくらい熱かったですからね。

たとえば経験のある方が自分で基板などを設計する場合は安定に動作させられるかもしれませんが市販の機材をいじくって動作させる(改造)などの場合とくに電流帰還アンプなどは苦労しそうですし消費電流も多いので(LTには少ないものもあるようですが)いくら±15で動作させられるとしてもその代わりめちゃめちゃ発熱すること請け合いです。素人オーディオ的には高速AMPは10V(±5V)で使うものという印象がありますよね。そんなのを30Vかけてオーディオで使うの?みたいに思っちゃいます。もちろんLME49990とて発振するケースもありそうですが電流帰還や高速OP-AMPのようにどうしても発振が止められないということに遭遇することもなさそうに思われます。テストした限りではLME49990はあらゆる面で満足すべき性能を持っていることがわかりましたし72nSで満足できない人はTHSなど使って超高速に挑戦すればいいかもしれないですよね。

高速OP-AMPの利点は裸の特性が良くオープンループゲインが下がってくる高周波側でも歪み特性が極端に劣化して来ないことろにありそうです。あるいはLME49990など低周波側のオープンループゲインがめちゃめちゃ大きいアンプが帯域によって質感が異なるという評価を受けることになるのも理解できます。NFで特性を稼いでいるアンプは大抵そうですし高域のすがすがしさ(透明感)や輪郭の鮮明さに若干欠けるところがありOP-AMP臭い音といえばOP-AMP臭い音になるとは思います。高速OP-AMPではこの点が払拭されるであろうとことも理解できますがユニティゲインでどれだけ安定に動作させられるかに尽きると思います。±5vで良いのであればユニティゲインでも安定な性能の良い電圧帰還アンプは山ほどありますが±15の場合は皆さんご存知の通り良いものはなさそうです。高速アンプ自体30Vで使う用途自体が限られているのでとくに電流帰還は古いプロセスで作られたものでしかあり得ないでしょうね。あるいは電流帰還はバイアス電流がめちゃめちゃ大きいのでそのへんが問題点になりそうではあります。数十MHzなど高い周波数で発振する可能性もあるのでオシロやスペアナを持ってないと厳しいのでは?

そもそもAD811にしても6dbのバッファーで30MHz程度がせいぜいなので現在の電流帰還に比べれば全然たしたことない性能です。たとえばLMH6702だったら100MHzは楽勝だし歪みも少ないです。AD811は±15Vが扱えるのが唯一の利点?ではないでしょうか(オーディオ用としては重要なスペック)。軍事用の883Bものがあるためか特殊用途での需要があるためか製造は続けられているようですが?それこそ中止になっていてもおかしくない品種とは思います。あるいはTHS4631に比べて超高速とも言えないです(スルーレートを大振幅で測定すれば電流帰還の方が良いかもしれませんが)2Vppで比較すると圧倒的にTHSの方が速いです。なのでTHSより電圧性ノイズで若干有利なだけでさしたるメリットもさなそうです。

素人オーディオ的にはLME49990がまずはお勧めでそれ以上の高速性を求めるならTHS4631でしょうかね。基板を設計するならSOP8を使いたいでしょうしSOP8で熱的に耐えられるのはLME49990とTHS4631でなはいでしょうか(周囲温度が高くなる場合は小型のヒートシンクなどが必要になるかもしれませんが)。

http://www.tij.co.jp/product/jp/LME49990/quality すでにリンク切れ(流通在庫がなくなったからでしょうか)

さすがの若松さん(いつもお世話になっております)
http://www.wakamatsu-net.com/cgibin/biz/pageshousai.cgi?code=13061035&CATE=130

SACDのリッピング


某ゲーム機の160GB以下の機種は修理受付が終了している。もはや市場に出た商品が使い尽くされるのを待つばかり。

市販のPCやオーディオ機器では絶対に不可能とされてきたSACDリッピングですがセキュリティの甘かった某ゲーム機の初期バージョンの改造で可能になるらしいです(都市伝説)。素人オーディオは試したことはないですが知り合い筋からは本当らしいという声も聞かれます。著作権法の改正で違法行為になってしまったことから下火っているようですが過去のブログには「出来た!」みたいな書き込みも多数残っているようですし、当時のリッピングツールとおぼしきソフトウエアについても実際にダウンロードできる状態にはあるようです(もちろん誰でも自由にアクセスできるわけではないようですが)。

昔のブログにはDSFファイルをAudio Gateを使ってリニアPCMに変換して再生などという事例ばかりでしたが数年後の今はUSB経由であってもDSFのネイティブ再生が可能になっています。すなわちリッピングしたファイルはSACDと同じ品質で再生できる可能性が高いということです。強いて云えばへたなトランスポートでリアルタイムにディスクを読んで再生するよりはフラッシュメモリ上のファイルを再生する方が高品質という可能性だってあります。またSACDの多くは外部DACを使ってSACDを再生することはできないですしワードクロックすら使えないものばかりですがファイルで再生するならDA-3000のような低価格の機器でもワードクロックは使えるし内蔵DACがしょぼいと思えばSDIFを受けられるMYTEK DSD192などの外部DACを使うこともできます。この組み合わせで聞くDSDは合計30万にしてはなかなかのものです。DSD192に限ってはUSB経由でも使うことができます。あるいは15万前後のネットワークオーディオプレイヤーで問題なく元SACDの音源が聞けてしまうということにもなります。つまりはハイレゾ機器でDSDの再生が可能になりつつある現在では利用価値が高いということです。※MYTEKはSDIFが受けられる以外にはあまりメリットはないのでKORGの安いDACでも良いような気もします。

ハイレゾの基本戦略の1つは過去の資産の焼き直しにあるようです。つまりこうです。自分で所有しているSACDをネットワーク系ストレージ系のハイレゾ機器で聴こうと思っても無理なので仕方なく同じタイトルのDSFファイルを買うしかないか...みたいな、あるいはオリジナルマスターテープを使ったDSDや96/24のリマスターが出たから買うしかないか...みたいな。この焼き直し戦略が基本にある限りは売り手としてSACD著作権保護の撤廃はできないでしょう。

そんなのはおかしいと思ったとしても某ゲーム機の初期バージョンのライフも長くはないでしょうし(すでに修理受付も終了)それに代わるハードもないわけですからCDのようにリッピングが簡単にできちゃうから著作権保護なんか意味がないよみたいな話にはなりにくいです。特定のファーム以降ではパッチが当てられていて別OSのインストールは不可になっているということですし、かなり条件が揃っていないと都市伝説の再現実験もできないということです。しかもSACDをコレクションしていない人にとっては無意味に近いので検証する動機があると云えるポピュレーションも極めて小さいということになりましょう。※オークションで出回っているPS3は値段の割に程度のよろしくないものが多いという印象があります。中古屋さんで客観的に査定されたもののほうが良品は多でしょうきっと。ダメなものに高い値段はつけないでしょうから。

DSFファイルへのエクスポートは手持ちのSACDの資産を有効活用(SACDの名盤の多くはDSFファイルでは手に入らないしあったとしても高額であることが多い)するという点では価値のある行為になるでしょう。SACDプレイヤー以外で再生できる選択肢を与えてもらえることになりますからね。あるいはハードのテスト用ファイルを簡単に作れるという点でも利用価値はあると思われます。高級SACDプレイヤーとネットワーク系オーディオプレイヤーあるいはSDIF搭載のプロ機との比較も簡単にできるということになります。※いまのところ高級なSACDプレイヤーに勝てるネットワークプレイヤーは滅多にないとは思われます。クオリティを落としてまでネットワークからリアルタイムにファイルを持ってくる必要性を感じません。面倒でも高速なメモリにコピーして再生するのが良いように思われます。

これらの観点から素人オーディオとしてはハイレゾで十分儲けた暁にはSACD著作権保護を撤廃してくれてもいいんじゃないかと思う次第でございます。儲けるというのはSACDですでにリリースしたタイトルをDSFファイルの配信で再販するということでもあり、すでに世の中に出回ってしまったものを保護するなんてあんまり意味がないはずですから。

なお当方では「都市伝説」に関するご質問については一切お答えできません。再現実験についても当然行っておりませんのでご了承くださいませ(素人オーディオのPS3のファームは2.35のままですから)。

ブログを見てくださってる方には良い話かどうかわからないですが...情報提供です。
都市伝説の検証用に使える某ゲーム機の保守パーツが大手通販サイトで投げ売り状態のようです。値段の安いものからどんどん売れてなくなりつつあるようです。本家のサービスセンターは修理は受けるけれどパーツは売らないと云っていたのにサポートを終了したらいきなり部品を流通させてきました。んまあ...あとは勝手に自分で直して使ってねってことなんでしょうね。

再現実験のアイテムで探すのが意外に難しいのは Version 0.3 のパッケージのようです。1,2時間あればパッケージ以外のファイルは自力で見つけることはできるでしょうけれど。再現だけできればいいのなら別のバージョンでも問題はなさそうですが。※FOOBARはISOの再生ができるらしいですが。

追伸:
2年も前に書いた記事ですがアクセスが多いようなので一言書かせていただきます。古いパッケージを見つけるのは困難でよほど運がよくない限りは入手できないと思われます。新しいものであればTed's xxxxに何がしか書いてあるかもしれません。いずれにせよ当方は情報収集のみを行っていたもので都市伝説の真偽については未確認ですので悪しからずご了承ください。


2015年当時に入手できたファイルの一覧です(もちろん再現実験は行っておりません...純正以外のOSを入れると危険かもしれませんしね)。

コードレス電話がノイズ源だった

どんなに測定しても本来出るべき性能が出ていない。しかも原因がまったくわからない。こうなったときにどれだけ時間を喰われることになるかはトラブルを潰したことのある方なら実感されていますよね。

今回の犯人は某P社のコードレス電話の親機でしたが通話をしていない待機状態でも盛大なノイズを発生しているようでした。もちろん買ったばかりの現行機種です。電話ゆえデスクの上に置くのが普通ってことになりますがとんでもないことになっておりました。

いくらやっても所定の位相雑音特性にならないしオフセット1K〜100Kくらいのところに変なノイズが乗るので首をかしげていました。もしこの電話オーディオルームにあったとするとマスタークロックの位相雑音が劣化することになるかもしれません。

何故この電話がダメだとわかったかと云えば30cmくらいの距離においてあった1GHzを超えるオシロの動作がおかしくなってしまいやたらにオフセットが生じたり50Ωで受けてプロ−ブを外した状態でも飛び込んできた信号によるノイズの波形が観測できるといった状態だったためです。これは間違いなく電波だなということになりコードレス電話の電源を切ったらいきなり回復しました。

もちろんコードレス電話自体の設計が悪いと頭ごなしに云うことはできませんがイズは突然振幅が大きくなるといったランダム発生的なもので本来の動作とはあまり関係ないように見えました。もちろん通話などしていなくても発生しています。子機をサーチする信号かもしれませんがそれにして発生頻度が不規則かつ必要以上に高頻度であるようでした。携帯電話でもここまでひどいものはないですし近くに置いたとしても悪さをすることもまれです。

コードレス電話などこんなもんだといえばそうなのかもしれませんが電波を使う機器だからノイズ出すのは当然ねみたいなのは迷惑千万です。電波を発する機器だけに注意深く設計されるべきなんでしょうね。この電話アマゾンで買っても1万円以上はしてますから激安ではないのは明らかです。

もちろん別のコードレス電話買って問題ないかどうかなど試すつもりなどありませんので、当然有線の電話に速攻切り替えでしょうね。
お蔵入りの電話どうしましょう。返品期限は過ぎてますし。

VoIP電話ってどうなの?

最近はオーディオとは関係のないことばかり書いてますが...もちろんオーディオの記事も書こうと思えばそれなりに書けるとは思いますが種々の理由により差し控えているということもございます。

今回はVoIP電話についですがWAN側からルーターやProxyをいとも簡単に通過してLAN内のIP電話にパケットを送れてしまうというのにはいまさらですが驚きではありました。自宅のLAN内には設置したくないのでProxyを別けるかそもそも別の回線でインターネットと接続した方がよいかもしれません...ONUにサービスポートが2つあって1つはDHCPでグローバルアドレスを1個振ってくれるのでそちらを利用することにしました。グローバル固定アドレスのポートとグローバルDHCPのポートがあるのは不思議なんですが。

テストしたのはFUSIONと同様に月額基本費用400円の固定電話サービスですが(個人用で内線設定などがない)まったく問題なく使えています。コーデックもG711U/Aが通るので通話品質も悪くはありません。3G携帯のコーデックAMR-NB(ナローバンド)のようですがG711mu-lawに比べればかなり劣るしデーターレートを節約しているために最近の3G携帯やスマホの通話品質はあまり良いとは云えないです。ソフバンのiPhoneで通話するとモゴモゴして聞きづらいしドコモのFORMAも通話品質が落ちているように感じます(ちなみにAMRは可変ビットレートです)。

いまはやりのし放題プランは必ずしも得ではないので(後述)それをやらずに通話料金を節約する手立てを考えると自宅ではIP電話を使うということになりますが、たとえばFUSIONはNTTのフレッツの回線を使ってFUSIONがプロバイダーにならざるを得ないですし、あるいは他社のサービスでも回線やプロバイダーが制限されIP電話単体での提供はしていないのが実情です。素人オーディオのようにダークファイバーなどを使っているとIP電話を導入することはできないわけですが、ごくわずかではありますがFUSION並のサービスを単体で提供しているネットワーク会社も存在しています。提供価格は同じですがどんな回線でもアリなところがすばらしいです。IP電話に対応していないプロバイダーや回線でも問題なく導入することができます。

接続テストの続きですがIP電話をポートに直結して動作を確認(SIPサーバーへのログオン情報だけを書き込めばOKです)したあとルーターかまして動作させましたが余っていたARX640ではSIPがうまく通らなかったので設定に時間がかかりました。この機種はコマンド体系がアライドの他のルーターとは異なりセットアップファイルを共用できないしIPフィルターが使いにくいので不評のようです。新品を格安で買ったので良しとしますがパフォーマンスも600Mbpsが限度のようです。改造してクロックを上げるなどすれば別でしょうけれど。

携帯のかけ放題プランが普及すると世の中的にはIP電話を使う人は減るかもしれませんが、3G携帯(あるいはスマホ)の通話品質はあまり良くないし地下など電波が不安定な場所では有線の方がよいです。そもそも仕事以外で長電話をすることもないですし。

ちなみにドコモの場合はガラケーの電話をかけ放題のプランは音声通話だけにすれば2200円なので安いですがメールを受けられるようにするためにパケットパックを入れるだけでi-mode料金とセットで4000円近く増額になってしまいます。かけ放題でメールも受けるというだけで6000円程度が最低料金になります。4000円あればソフバンのスマホを1台もつことができますし3Gの遅い回線にしてはデーターを使い切れるわけはなくあまりに高い設定のように思えます。これまでお得だった音声通話をしないスマホタブレット)とセット割の場合にはガラケースマホの両方にデータープランを導入しなければならないためセットの最低額が1万円くらいになります(データー2GBの最安料金の場合でも)。

アウトランダーPHEV充電泥棒 とは

アウトランダーPHEVの充電泥棒とは?

日産自動車の販売店に設置してある急速充電器はリーフ発売当初より基本的に無料開放していたが2014年5月中旬頃から有料化され(日産のリーフオーナーが月額会費を支払って加入している)ZESP会員以外が充電する場合には1回500円課金することになった。初期に設置された急速充電器は課金装置を取り付けていないものがほとんどで施錠しな限り誰でも使うことができてしまうが、販売店によってはリーフオーナーへの利便性を重視し課金装置を取り付けていない急速充電器に施錠せず24時間使用可能な状態としていた。この誰でも使用できてしまう充電器を充電器をアウトランダーPHEVのオーナーが(人のいない夜間に)無断で使って充電する行為がネットでは「(充電)泥棒」と称されているようである。泥棒というのは課金されていることが明確に表示されているにも関わらず料金を支払うことなく使用するということが根拠のようですが、夜間、係員等が不在な状態で使用すれば、当然無料使用の許諾など受けていないし、かつ、料金を支払うことなく使用可能な状態を狙って使用していることになり得るでしょう。無断で使うのは「犯罪」に当たるとして警察に通報されたという事例もあるようです。なお、リーブ(充電)泥棒は存在しないけれどアウトランダー(充電)泥棒が存在しうる理由については後述致します。

1)日産の販売店では課金装置の取り付けられていない急速充電器に対しては漏れなく有料である旨を表示している。かつ、課金開始までに課金する旨を充電器に表示するなどして周知していた。従って、有料である事実は急速充電器を利用していた利用者の多くはその事実を知り得ていたはずである。
2)課金されている事実を知りながら無断で使用することは「盗電」という立派な「窃盗」であって、防犯カメラなどが設置されていれば悪質な利用者を摘発することは十分有り得ると考えられる。過去に名古屋駅のコンセントを無断で使用しパソコンを充電したら警察に窃盗で逮捕されたという事例もある。盗電という行為はガソリンのように「目に見えるモノ」を盗んではいないのでOK!のような意見もあるのかもしれないが施錠されていないガソリンスタンドでガソリンを入れるのと何ら変わりはないはずです。

上記1)2)のごとく夜間に限らず料金を支払うことなく無断で使用した場合は限りなく犯罪に近い行為であると考えざるを得ないですし、料金を支払って利用している方々からの不満(摘発すべしという意見)が出るのは当然ではないかと思う次第です。それなら(批判されるくらいなら)課金装置が取り付けられた急速充電器を堂々に使うようにしましょうなどの発言はネットでは(ほとんど)ないようで(ココが充電泥棒の本質なのですが)無料なら充電するが料金を支払うなら充電したくはないという考えが根底にあるのではないかと推察致します。12KWフルに充電したとしても料金が500円では高すぎて割に合わないから無料でないと意味がないということは容易に推察できるところですし、云ってみれば中途半端な電池の容量でしかないために起こりえるジレンマということでしょうか。

充電を課金されると電池で走る意味が薄れてくるのはPHEVの宿命とも云えるものです。現状、充電装置の使用料は1回あたりの定額あるいは使用時間に比例するシステムになっていて使用した電力とは無関係ですから(時間比例の課金方式の方が単位時間あたりの料金が高額である場合が多いです)。

ちなみにですが三菱が運営しているチャデモチャージネットワークは個人会員が月額1000円で充電代金が無料になりビジターが使うと1分40円(20分以上は800円)なのでビジターは日産より高いです。しかも漏れなく課金され無料で使うことはできません。チャデモチャージのカード有利なのは関東近辺では首都高速と三菱の販売店になるようですが首都高の充電器は駐車スペースが狭いトイレ休憩専用みたいなスポットに置かれていることが多く駐車スペースをガソリン車に占領されている場合もあり、しかも停車中に携帯電話で延々と通話され使えないという状況にあることも少なくないです。たとえば志村料金所上りなどはその典型例です。東名海老名が混雑して使えなかった場合の用賀上りは便利かもしれませんが海老名から用賀は30キロ以上あるので高速走行では消費が激しく充電を伸ばせないかもしれません。メリットがあまりなさげなのでおそらく会員数が少ないと思われ充電器が空いている確率は高そうですが設置場所がよくないです。広い場所にあるのは首都高では大黒くらいでしょうか。

泥棒をなくすためには日産自動車が設置する急速充電器に漏れなく課金装置を取り付ければよいことになるのですが、あとから課金装置を取り付ける方がコストがかかるため、であれば新しい充電器を増やした方が得策であるということになるのではないかと推察致します。つまりは無断使用可能な充電器は当分なくならないということです。一部にパスワードを入力しないと使えないようにするという話もあったようですが実施してみると面白いかもしれません。当該車種オーナー様がどこぞで入手したパスワードを打ち込んでいる姿が見られるかもしれません。パスワードがかけてあれば言い逃れできないですよね。不正アクセス防止法?に抵触するのかみたいな議論も面白そうです。

アウトランダーが某所で充電(公共施設)した結果について

アウトランダーの充電が終わったあとの画面をたまたま見ることができましたのでレポート致しますが...
1)充電は1回30分と決まっているが充電を30分まるまる行っている(残り時間が0分0秒になっている)もし途中で止めたなら残り時間は0にはならない
2)30分かかって充電できたのは7.19KW/hでしかなく充電率は87%にしかならない(満充電=100%)

充電量が7.19KW/hで容量が87%になったということであれば、電池の容量が12KW/hなので10.44KW/hまで充電したことになり残り3.25KW/h(27%)の状態で充電を開始したことになる。チャデモ充電は容量の小さい電池であろうが大きい電池であろうが30分で充電率が90-100%になるように実行するので容量の小さい電池(あるいは充電開始時の充電率が大きい場合も同様)の場合は単位時間あたりの充電電力量が小さくなることになる。アウトランダーの場合は27%から開始して87%になっているのでチャデモの動作としては真っ当であるが30分で充電できたのはたったの7.19KW/hであるということになってしっまっているようです。

あくまで個人的な意見ですが、この程度の電力量ならわざわざ充電設備にまで出向いて30分かけて充電するまでもないと思えてしまいます。1KW/h27円だとしても200円に満たない額なので時間を潰してまで充電する価値があるのかどうか疑問です。もし先客があった場合には最悪の場合1時間かかって7KW程度の充電ということにもなりかねないです。アウトランダーは先客が終わるのを待っても充電していたようなので時給200円とか300円の暇なバイトと一緒って感じですね。

もし夜間電力であれば1KW/h15円くらいなので100円ちょっとです。だったら夜中に日産(あるいは無料充電設備)に行かずともご自宅でコンセントから充電すれば良さそうなものです。100円で泥棒呼ばわりなどやってられないでしょうしね。

ちなみに写真を撮影した某公共施設では、アウトランダーがひっきりなしに訪れていたことを申し添えましょう。しかもかわいそうに電気自動車のiMiVEがアウトランダーのあとに並んで待っていたようですが途中で嫌になったらしく退散して行かれました。さすがにiMiVEはかわいそうでした。三菱さんも売るばかりでなく充電設備の充実に努力して欲しいものです。無料の充電設備にアウトランダーが集まってくるというのは当該充電設備に限ったことではなさそうです。

あ、それからもうひとつ、夏場に使うエアコンはエンジン回ってなければ掛からない仕様のようです(コンプレッサー式ということでしょうか)。なのでエンジンを回さないで夏場をしのぐなどできないと思います。電池だけではエアコンを使うこともできないので結局はガソリンは使わなければならないです。タダ充電できたとしても全部タダってわけにはゆかないようです。なので、ますます、充電などほどほどにしておけば良いのではないかと思えるのですが。


後日談

充電論議もどうでもいいかなみたいになってきたようですが、世の中の認識としては設置してある急速充電器は電気自動車のために設置したものでPHV/PHEVのためではないというのがコンセンサスになるつつあるようです。現に公共施設の一部では電気自動車は無料で充電してもよいがPHV/PHEVは使用の対象外になっているようです。

来年4月から国内自動車会社が出資して充電設備を運用する会社を設立することになったそうですが日産の電気自動車のオーナーが入会すると月額3000円だそうです。日産の営業所だけ使えるプランもありそれは現行通り1500円です。プラス1500円で使えるところはかなり少ないので新会社がどれくらい真面目に充実させるかによるところが大きいでしょう。こ外資は参加していないし入会資格は各社の車を新車で購入した場合となる見込みなのであるいは外資のタダノリ防止ともいえるものかもしれません。安い電池を武器に攻勢をかけられても肝心の充電設備を使えないのでな売りようがないということでしょうか。緊急性を考慮し非会員でも使えるようしているとは思いますが利用料金は異様に高かったような気もします。


これらの記載はすでに過去のものとはなっていますがホームセンタ−などで無料解放している充電設備にPHEVやテスラが集まるのはよく見かける光景です。事情はあまり変わってはいないようです。テスラなど電気代にしたらおそらく1000円以上は一度に充電できると思うのでかなりの大判振る舞いです。公平性を確保するためには有料化すべきではないかと思われます。あるいは買い物を幾ら以上したら無料で充電していいですよのパスワードをもらえるでもいいでしょうけれど。

高速など公共の充電設備ではすでに大電力を充電するテスラなどの対策として充電電流を最大96Aに抑えるように設定しているようです。充電時間が延びてしまうのでよろしくないのですが前述のごとく大容量電池車では採算が悪くなるため対策せざるを得ないのでしょう。

車載電池の容量が大きくなってくるとさすがに充電ネットワークの運用も厳しくなってくるはずです。将来的には電池の容量が大きい車種については充電代金を高く取るということをしても良いように思われます。